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February 27, 2003 Vol. 348 No. 9

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B 型肝炎 e 抗原陽性の B 型慢性肝炎治療のためのアデホビル ジピボキシル
Adefovir Dipivoxil for the Treatment of Hepatitis B e Antigen–Positive Chronic Hepatitis B

P. Marcellin and Others

背景

前臨床試験および第 II 相試験では,アデホビル ジピボキシルは,ラミブジン耐性株を含む B 型肝炎ウイルス(HBV)に対して強力な活性を示した.

方 法

B 型肝炎 e 抗原(HBeAg)陽性の B 型慢性肝炎患者 515 例を,1 日 10 mg のアデホビル ジピボキシル(172 例),30 mg のアデホビル ジピボキシル(173 例),またはプラセボ(170 例)のいずれかを 48 週間投与する群に,無作為に割付けた.主要エンドポイントは,プラセボ群と比較した 10 mg 群の肝臓の組織学的改善であった.

結 果

48 週間の治療後,1 日に 10 mg または 30 mg のアデホビル ジピボキシル投与を受けた群では,プラセボ群に比べて有意に多くの患者が,肝の組織学的改善(それぞれ 53% [P<0.001],59% [P<0.001],25%),血清 HBV DNA 値の減少(中央値はそれぞれ 3.52 [P<0.001],4.76 [P<0.001],0.55 log コピー/mL),血清 HBV DNA が検出不可能なレベル(400 コピー/mL より少ない)であること(それぞれ 21% [P<0.001],39% [P<0.001],0%),アラニンアミノトランスフェラーゼ値の正常化(それぞれ 48% [P<0.001],55% [P<0.001],16%),HBeAg セロコンバージョン(それぞれ 12% [P=0.049],14% [P=0.01],6%)を示した.HBV DNA ポリメラーゼ遺伝子には,アデホビルに関連した耐性変異は同定されなかった.投与量 10 mg のアデホビル ジピボキシルの安全性の程度は,プラセボと同程度であった;しかし,1 日に 30 mg のアデホビル ジピボキシルを投与された群では,有害事象と腎検査値異常の頻度がより高かった.

結 論

HBeAg 陽性の B 型慢性肝炎患者では,1 日に 10 mg または 30 mg のアデホビル ジピボキシル投与を 48 週間受けた場合,肝臓の組織学的改善,血清 HBV DNA 値とアラニンアミノトランスフェラーゼ値の減少,HBeAg セロコンバージョンの増加がみられた.10 mg の投与量は,長期治療にとって良好なリスク・利益プロファイルを示している.HBV DNA ポリメラーゼ遺伝子にはアデホビルに関連した耐性変異は同定されなかった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2003; 348 : 808 - 16. )