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September 11, 2003 Vol. 349 No. 11

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ヒト免疫不全ウイルス感染患者におけるプロテアーゼ阻害薬からネビラピン,エファビレンツ,アバカビルのいずれかへの切替え
Substitution of Nevirapine, Efavirenz, or Abacavir for Protease Inhibitors in Patients with Human Immunodeficiency Virus Infection

E. Martinez and Others

背景

ヒト免疫不全ウイルス 1 型(HIV-1)に感染し,ウイルス学的抑制に成功している患者において,プロテアーゼ阻害薬からネビラピン,エファビレンツ,アバカビルのいずれかに切り替える戦略を評価した.

方 法

2 種類のヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬と 1 種類以上のプロテアーゼ阻害薬の投与を受けていた成人で,過去 6 ヵ月以上血漿 HIV-1 RNA 値が 200 コピー/mL 未満であった成人 460 例を,プロテアーゼ阻害薬からネビラピンに切り替える群(155 例),エファビレンツに切り替える群(156 例),アバカビルに切り替える群(149 例)に無作為に割付けた.主要エンドポイントは,死亡,後天性免疫不全症候群への進行,HIV-1 RNA 値の 200 コピー/mL 以上への増加とした.

結 果

12 ヵ月の時点では,エンドポイント到達確率の Kaplan–Meier 推定値は,ネビラピン群で 10%,エファビレンツ群で 6%,アバカビル群で 13%であった(intention-to-treat 解析による P=0.10).試験薬で治療中にウイルス学的失敗をきたした 29 例中 21 例(72%)で HIV-1 RNA が増幅され,この 21 例では,1 例を除く全例で,試験薬に対する耐性突然変異と,失敗したレジメン中の 1 種類以上のヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬に対する耐性突然変異が同定された.試験薬で治療中にウイルス学的失敗をきたした 29 例のうち,23 例は先にヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬で不十分な治療を受けていた.有害事象のために試験薬を中止した患者は,アバカビル群(6%)が,ネビラピン群(17%),エファビレンツ群(17%)よりも少なかった(P=0.01).治療的介入を必要とする空腹時脂質値の患者の割合はアバカビル群で有意に減少したが,臨床的リポジストロフィーの有病率には 3 群で有意な変化はなかった.

結 論

ウイルス学的抑制が成功している患者の治療をプロテアーゼ阻害薬からネビラピン,エファビレンツ,アバカビルに切り替えた場合,アバカビル投与を受けた患者では,ウイルス学的失敗の割合がより高い傾向にあった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2003; 349 : 1036 - 46. )