September 25, 2003 Vol. 349 No. 13
閉経後の骨粗鬆症における副甲状腺ホルモンとアレンドロネートの単独療法または併用療法の効果
The Effects of Parathyroid Hormone and Alendronate Alone or in Combination in Postmenopausal Osteoporosis
D.M. Black and Others
副甲状腺ホルモンは主に骨形成を刺激することで骨強度を増加させ,一方,骨吸収抑制薬は骨吸収を減少させる.われわれは,副甲状腺ホルモンとアレンドロネートに関する無作為二重盲検試験を行い,2 剤の併用投与がいずれかの単独投与よりも骨密度を増加させるという仮説を検証した.
股関節部または脊椎の骨塩密度が低い(T スコアが-2.5 以下であるか,T スコアが -2.0 以下で骨粗鬆症の別の危険因子をもつ)閉経後女性(ビスホスホネートを使用していない女性)計 238 例を,副甲状腺ホルモン(1-84)(100 μg;119 例),アレンドロネート(10 mg;60 例),またはその両方(59 例)のいずれかの連日投与に無作為に割付け,12 ヵ月間追跡した.脊椎と股関節部の骨塩密度は,二重エネルギー X 線吸収法と定量的コンピュータ断層撮影により評価した.骨代謝マーカーは,空腹時の血液検体で測定した.
脊椎の骨塩密度はすべての治療群で増加した.副甲状腺ホルモン群と併用療法群のあいだには,骨塩密度の増加に有意差はなかった.脊椎の海綿骨の体積骨密度はすべての群で大幅に増加したが,副甲状腺ホルモン群における増加は,他の 2 群での増加の約 2 倍であった.骨形成は副甲状腺ホルモン群では顕著に増加したが,併用療法群では顕著ではなかった.骨吸収は併用群とアレンドロネート群で減少した.
副甲状腺ホルモンとアレンドロネートのあいだに相乗効果の兆候はみられなかった.海綿骨の体積骨密度,股関節部の皮質骨体積,骨代謝マーカーの濃度における変化は,アレンドロネートの併用療法により,副甲状腺ホルモンの同化作用が減少する可能性を示唆している.骨吸収抑制薬を副甲状腺ホルモン療法と併用して最適に使用できるかどうか,またどのように使用できるかを決定するには,骨折に対するより長期的な研究が必要である.