The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

May 6, 2004 Vol. 350 No. 19

拡張期心不全 ― 左室の能動的な弛緩と受動的なスティフネスの異常
Diastolic Heart Failure - Abnormalities in Active Relaxation and Passive Stiffness of the Left Ventricle

M.R. Zile, C.F. Baicu, and W.H. Gaasch

背景

左室駆出率は正常で心不全の徴候と症状を示す患者は,拡張期心不全であるといわれている.従来,これらの患者における心不全の病態生理学的な原因は,左室拡張能の異常であると考えられてきたが,この仮説の大部分はまだ証明されていない.

方 法

拡張期心不全の確定診断基準を満たす患者 47 例を前向きに同定した.全例が心不全の徴候および症状を有し,駆出率が正常で,左室拡張末期圧が上昇していた.心疾患の徴候のない患者 10 例を対照とした.左室拡張能は,心臓カテーテル検査と心エコー検査で評価した.

結 果

拡張期心不全の患者は,左室弛緩に異常があり,左室スティフネスが増大していた.等容性圧下降の時定数(τ)の平均(±SD)は,拡張期心不全患者群のほうが対照群よりも長かった(59±14 msec 対 35±10 msec,P=0.01).拡張期圧‐容積関係は,拡張期心不全患者では,対照群と比較して左上にシフトしていた.補正後の左室の受動的なスティフネス定数は,拡張期心不全群のほうが対照群と比較して有意に高かった(0.03±0.01 対 0.01±0.01,P<0.001).

結 論

駆出率が正常な心不全患者は,能動的な弛緩と受動的なスティフネスに重大な異常がある.これらの患者にみられる拡張期圧の上昇と心不全の病態生理学的な原因は,拡張能の異常である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 350 : 1953 - 9. )