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February 19, 2004 Vol. 350 No. 8

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早産および子宮内発育遅延児出産の既往と次回妊娠における死産リスク
Previous Preterm and Small-for-Gestational-Age Births and the Subsequent Risk of Stillbirth

P.J. Surkan and Others

背景

死産の原因の中には,子宮内胎児発育遅延(SGA,在胎期間に比して低い出生時の体重)や早産(妊娠 37 週未満)の原因になっているものもある.SGA 児の出産や早産の既往が,次回妊娠での死産リスクを増大させるかどうかは不明である.

方 法

1983~97 年に単生児の第 1 子と第 2 子を続けて出産した女性 410,021 人を対象に,スウェーデンで全国調査を行い,転帰の不良な妊娠の既往と死産リスクの関連性を評価した.第 1 子妊娠期間中に 1,842 件,第 2 子妊娠期間中に 1,062 件の死産が発生した.

結 果

第 1 子が満期産(妊娠 37 週以上)で SGA 児ではない母親に比較し,第 1 子が満期産または早期産で SGA 児の母親では第 2 子妊娠での死産リスクが高かった.第 2 子死産のオッズ比は,死産リスクの増大に関連することが知られている共変数で補正後,第 1 子が満期産で SGA 児の母親では 2.1(95%信頼区間 1.6~2.8),第 1 子が中期早産(妊娠 32~36 週)で SGA 児の母親では 3.4(95%信頼区間 2.1~5.6),第 1 子が早期早産(妊娠 32 週未満)で SGA 児の母親では 5.0(95%信頼区間 2.5~9.8)であった.第 1 子が死産ではなかった女性と比べて,第 1 子が死産であった女性では第 2 子死産のオッズ比は 2.5(95%信頼区間 1.4~4.7)であった.第 2 子妊娠における死産率は,第 1 子が満期産で SGA 児ではない母親では出産 1,000 件当り 2.4 件,第 1 子が早期早産で SGA 児の母親では 1,000 件当り 19.0 件と幅があった.

結 論

SGA 児出産の既往は,とくに早期産であった場合,その後の死産リスクの強力な予測因子である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 350 : 777 - 85. )