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July 15, 2004 Vol. 351 No. 3

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分娩時のネビラピン投与とその後のネビラピンを基本とした抗レトロウイルス療法に対する母体の反応
Intrapartum Exposure to Nevirapine and Subsequent Maternal Responses to Nevirapine-Based Antiretroviral Therapy

G. Jourdain and Others

背景

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の母子感染予防を目的とした分娩時のネビラピンの単回投与により,耐性変異の選択がもたらされる.その後ネビラピンを含むレジメンで治療を受ける母親で臨床的に意義のある結果が得られるかどうかについては,明らかではない.

方 法

タイにおいて,妊娠第 3 三半期にジドブジンの投与を受けた女性 1,844 例を,分娩時のネビラピン投与またはプラセボ投与に無作為に割付けた.分娩後,CD4 細胞数が250 /mm3 未満の女性 269 例に対し,ネビラピンを含む抗レトロウイルスレジメンを開始した.血漿検体を分娩の 10 日後に採取し,耐性変異の解析を行った.血漿 HIV 1 型(HIV-1)RNA は,治療開始前と,開始後 3 ヵ月および 6 ヵ月に測定した.

結 果

治療 6 ヵ月後,HIV-1 RNA 量が 50 コピー/mL 未満であったのは,分娩時にネビラピン投与を受けた女性で 49%であったのに対し,分娩時にネビラピン投与を受けていない女性では 68%であった(P=0.03).非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤に対する耐性変異は,分娩時にネビラピン投与を受けた女性の32%から分娩の 10 日後に採取した血液検体で検出された.もっとも頻度の高い変異は,K103N,G190A,Y181C であった.分娩時にネビラピン投与を受けた女性のうち,6 ヵ月の時点でのウイルス抑制は,耐性変異をもつ女性の 38%および耐性変異のない女性の 52%で達成された(P=0.08).治療前の HIV-1 RNA 量が中央値 4.53 log10 コピー/mL 以上であることと,分娩時のネビラピン投与とは,それぞれ独立してウイルス学的失敗と関連していた.治療後 6 ヵ月の時点で,両群の CD4 細胞数に有意差はなかった(P=0.65).

結 論

分娩時にネビラピン投与を受けた女性は,分娩後にネビラピンを含むレジメンで治療を受けた 6 ヵ月後に,ウイルス学的に抑制されている確率が低かった.このデータは,HIV の母子感染を予防するための抗レトロウイルス療法と,母親に対する抗レトロウイルス療法の,両方の利益を最大にするための戦略の必要性を示唆している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 351 : 229 - 40. )