The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

December 23, 2004 Vol. 351 No. 26

大腸癌スクリーニングにおける糞便 DNA 検査と便潜血検査の比較
Fecal DNA versus Fecal Occult Blood for Colorectal-Cancer Screening in an Average-Risk Population

T.F. Imperiale and Others

背景

便潜血検査は,大腸癌による死亡リスクを減少させる非侵襲的なスクリーニング法として,利用できる唯一の方法であるが,感度に限界がある.われわれは,大腸癌のリスクが平均的な,症状のない 50 歳以上の人を対象に,糞便検体中の異常 DNA を同定する方法と,ヘモカルト II(Hemoccult II)便潜血検査とを比較した.

方 法

適格対象者は DNA 解析のために便検体を提出し,標準的ヘモカルト II 検査を受け,また,大腸内視鏡検査を受けた.組み入れた対象者 5,486 人のうち,4,404 人が研究のすべての項目を終了した.浸潤性腺癌または進行性腺腫と診断された対象者全員と,無作為に選択された,ポリープがみられないかみられても小ポリープのみの対象者を含む,2,507 人から成るサブグループで解析を行った.糞便 DNA パネルは,21 の変異で構成されていた.

結 果

糞便 DNA パネルでは浸潤癌 31 例中 16 例が検出されたのに対し,ヘモカルト II では 31 例中 4 例が検出された(51.6% 対 12.9%,P=0.003).DNA パネルでは,浸潤癌と高度異形成を伴う腺腫を合せた 71 例中 29 例が検出されたのに対し,ヘモカルト II では 71 例中 10 例が検出された(40.8% 対 14.1%,P<0.001).進行腫瘍(直径 1 cm 以上の管状腺腫,絨毛状の組織学的特徴を有するポリープ,高度異形成を示すポリープ,癌のいずれかと定義)のある対象者 418 例のうち,DNA パネルが陽性であったのは 76 例(18.2%),ヘモカルト II が陽性であったのは 45 例(10.8%)であった.大腸内視鏡の所見が陰性であった対象者において,特異度は,糞便 DNA パネルでは 94.4%,ヘモカルト II では 95.2%であった.

結 論

大腸内視鏡で同定された腫瘍性病変の大部分は,いずれの非侵襲的検査によっても検出されなかったが,糞便中の複数の DNA を標的にした解析では,特異度は低下せずに,ヘモカルト II よりも高い割合で重要な大腸腫瘍が検出された.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 351 : 2704 - 14. )