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March 17, 2005 Vol. 352 No. 11

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大腸腺腫の化学予防臨床試験におけるロフェコキシブ関連心血管イベント
Cardiovascular Events Associated with Rofecoxib in a Colorectal Adenoma Chemoprevention Trial

R.S. Bresalier and Others

背景

シクロオキシゲナーゼ 2(COX-2)の選択的阻害は,血栓イベントのリスクの増大と関連している可能性があるが,分析に利用可能な長期データは限られている.長期多施設共同無作為プラセボ対照二重盲検試験における,選択的 COX-2 阻害薬ロフェコキシブ(rofecoxib)の使用に関連する心血管系の転帰を報告する.この試験は,大腸腺腫の既往がある患者を対象に,ロフェコキシブによる 3 年間の治療が,大腸の腫瘍性ポリープの再発リスクに及ぼす影響を検討する目的でデザインされた.

方 法

大腸腺腫の既往がある患者,計 2,586 例を無作為化した.1,287 例を 1 日 25 mg のロフェコキシブ投与に,1,229 例をプラセボ投与に割付けた.研究者によって報告された,血栓性心血管イベントの可能性のあるすべての重篤な有害事象を,外部の委員会が盲検下で判定した.

結 果

ロフェコキシブ群患者では,3,059 患者・年の追跡期間中,計 46 例の血栓イベント(100 患者・年当り 1.50 イベント)が確認されたのに対し,プラセボ群患者では,3,327 患者・年の追跡期間中,26 例(100 患者・年当り 0.78 イベント)であった.相対リスクは 1.92(95%信頼区間 1.19~3.11,P=0.008)であった.相対リスクの上昇は 18 ヵ月間の治療後に明らかとなったが,最初の 18 ヵ月のイベント発生率は 2 群間で同程度であった.この結果は,ロフェコキシブ群で心筋梗塞と虚血性の脳血管イベントの発生数がより多いことを主に反映していた.研究者によって報告された未判定のうっ血性心不全,肺水腫,心不全の発生率については,2 群間で早期(約 5 ヵ月の時点)に差がみられた(ロフェコキシブ群とプラセボ群の比較で,ハザード比 4.61;95%信頼区間 1.50~18.83).全死亡率と心血管死亡率は 2 群で同程度であった.

結 論

大腸腺腫の既往がある患者において,ロフェコキシブの使用は,心血管リスクの増大と関連していた.

(本論文は,2005 年 2 月 15 日 www.nejm.org で発表された.)

訂正のお知らせ
本論文は 2006 年 7 月 13 日に Correction が発表されました.
詳細および最新情報は以下のリンク先にある Related Articles にてご確認ください.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 352 : 1092 - 102. )