January 13, 2005 Vol. 352 No. 2
インターンの長時間勤務シフトと自動車事故のリスク
Extended Work Shifts and the Risk of Motor Vehicle Crashes among Intern
L.K. Barger and Others
長い勤務時間や長時間(24 時間以上)の勤務シフトは,依然として米国の医学教育の特徴である.それらの健康や安全性への影響が,妥当性の確認された指標を用いて評価されたことはいまのところない.
インターネットを利用した全米規模の前向き調査を実施し,卒後 1 年目のレジデント(インターン)2,737 人から,勤務時間,長時間勤務シフト,記録のある自動車事故,ニアミス事故,居眠りによる事故の詳細な情報について,17,003 回の月例報告を受けた.
長時間勤務シフト後の自動車事故の報告とニアミス事故の報告に関するオッズ比は,長時間勤務を含まないシフトと比較して,それぞれ 2.3(95%信頼区間 1.6~3.3),5.9(95%信頼区間 5.4~6.3)であった.前向き解析では,1 ヵ月内に組み込まれた長時間勤務シフト 1 回につき,1 ヵ月間の自動車事故のリスクは 9.1%増加し(95%信頼区間 3.4~14.7%),1 ヵ月間の仕事から帰宅途中の事故のリスクは 16.2%増加した(95%信頼区間 7.8~24.7%).インターンが長時間シフトで 5 回以上勤務した月には,運転中あるいは停車中に居眠りをするリスクが有意に増加した(オッズ比,それぞれ 2.39 [95%信頼区間 2.31~2.46],3.69 [95%信頼区間 3.60~3.77]).
現在,卒後医学教育認定評議会(Accreditation Council for Graduate Medical Education)で認められている長時間勤務シフトには,インターンにとって安全上の問題がある.この結果は,連続 24 時間以上の勤務に医師を組み入れることを慣例としているレジデントプログラムに影響を与えるものである.