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May 26, 2005 Vol. 352 No. 21

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スタチンと大腸癌のリスク
Statins and the Risk of Colorectal Cancer

J.N. Poynter and Others

背景

スタチンは 3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル補酵素 A(HMG-CoA)還元酵素阻害薬であり,有効な脂質低下薬である.スタチンは大腸癌細胞株の増殖を阻害することが示されており,また,すべてではないが一部の臨床試験の二次解析では,スタチンにより大腸癌のリスクが低下することが示唆されている.

方 法

大腸癌分子疫学研究(Molecular Epidemiology of Colorectal Cancer Study)は,1998~2004 年にイスラエル北部で大腸癌と診断された患者と,年齢,性別,診療所,および人種をマッチさせた対照群に関する,人口ベースの症例対照研究である.スタチンの使用を調査するため,2 群に構造化面接を行い,処方歴を入手することのできた患者のサブグループでは,処方歴を調査して自己報告によるスタチンの使用が事実かどうかを確認した.

結 果

大腸癌患者 1,953 例と対照群 2,015 例の解析で,5 年以上にわたるスタチンの使用は,大腸癌の相対リスクの有意な減少と関連していた(オッズ比 0.50,95%信頼区間 0.40~0.63).この関連性は,アスピリンまたは他の非ステロイド性抗炎症薬の使用の有無;身体活動,高コレステロール血症,大腸癌の家族歴の有無;人種;野菜摂取量による補正後も,依然として有意であった(オッズ比 0.53,95%信頼区間 0.38~0.74).フィブリン酸誘導体の使用は,大腸癌リスクの有意な減少とは関連していなかった(オッズ比 1.08,95%信頼区間 0.59~2.01).自己報告によるスタチンの使用は,スタチンの使用を報告し,処方歴を入手することのできた参加者 286 例のうち,276 例(96.5%)で事実であることが確認された.

結 論

スタチンの使用により,大腸癌のリスクは,他の既知の危険因子で補正後も相対値で 47%減少した.絶対リスクの減少はおそらく小さいと考えられるため,大腸癌予防におけるスタチンの全般的な利益に関しては,さらに研究を行う必要がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 352 : 2184 - 92. )