September 15, 2005 Vol. 353 No. 11
中国の男女における主要死因
Major Causes of Death among Men and Women in China
J. He and Others
中国経済の急激な発展に伴い,この国の疾患負荷が変化した可能性がある.中国の 40 歳以上の男女 169,871 人から成る国民を代表するコホート集団において,主な死因と改善可能な危険因子を調べた.
参加者のベースライン時のデータとして,人口統計学的な特徴,既往歴,生活習慣に関連する危険因子,血圧,体重を,1991 年に標準プロトコルに従って入手した.1999 年と 2000 年に追跡評価を行った.追跡率は 93.4%であった.
1,239,191 人-年の追跡で 20,033 人の死亡が確認された.全死因死亡数は,男性で 10 万人-年当り 1,480.1 人,女性で 10 万人-年当り 1,190.2 人であった.主な 5 つの死因は,男性では悪性腫瘍(死亡率,10 万人-年当り 374.1 人),心疾患(319.1 人),脳血管疾患(310.5 人),事故(54.0 人),感染症(50.5 人),女性では心疾患(268.5 人),脳血管疾患(242.3 人),悪性腫瘍(214.1 人),肺炎とインフルエンザ(45.9 人),感染症(35.3 人)であった.予防可能な危険因子について,多変量補正後の死亡の相対リスクと人口寄与危険度は以下のとおりであった;高血圧で 1.48(95%信頼区間 1.44~1.53)と 11.7%,喫煙で 1.23(95%信頼区間 1.18~1.27)と 7.9%,低身体活動で 1.20(95%信頼区間 1.16~1.24)と 6.8%,低体重(体格指数 18.5 未満)で 1.47(95%信頼区間 1.42~1.53)と 5.2%であった.
中国人成人では,血管疾患と癌が主な死因となっている.この知見から,高血圧の管理,禁煙,身体活動の増加,栄養の改善が,中国の成人における早期死亡の負荷を軽減する重要な方策になることが示唆される.