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October 13, 2005 Vol. 353 No. 15

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青年と成人における無菌体百日咳ワクチンの有効性
Efficacy of an Acellular Pertussis Vaccine among Adolescents and Adults

J.I. Ward and Others

背景

成人の百日咳ワクチン接種は,増大する疾患・感染負荷の管理を改善するために必要であると考えられている.青年と成人を対象とした無菌体百日咳ワクチンに関するこの試験で,百日咳の発生率と,ワクチンの安全性,免疫原性,予防効果について評価した.

方 法

無菌体百日咳ワクチンに関する米国の多施設共同無作為二重盲検試験に登録された,15~65 歳の健常被験者 2,781 例を対象として,Bordetella pertussis(百日咳菌)感染と百日咳の症状について前向きに評価した.被験者に,三種混合無菌体百日咳ワクチンまたは A 型肝炎ワクチン(対照)のいずれかを単回投与し,5 日以上続く咳症状について 2.5 年間観察した.それぞれの症状は,鼻咽頭吸引液の培養とポリメラーゼ連鎖反応法で評価し,疾患が急性期と回復期の患者から採取した血清サンプルについては,9 個の B. pertussis 抗原に対する抗体の変化を分析した.

結 果

被験者 2,781 例中,1,391 例が無菌体百日咳ワクチン接種を受け,1,390 例が対照ワクチン接種を受けた.2 群の年齢と人口統計的特性は同様で,追跡期間の中央値は 22 ヵ月であった.無菌体百日咳ワクチンは,安全で免疫原性があった.2,672 例で長引く咳がみられたが,年齢,季節,咳の期間で層別しても,この非特異的な転帰の発生率に 2 群間で差はみられなかった.この研究で採用した百日咳症例の一次定義に基づいた場合,ワクチンの予防効果は 92%であった(95%信頼区間 32~99%).百日咳ワクチン接種を受けていない症状のある対照者のうち,B. pertussis に感染していたのは 0.7~5.7%で,咳の期間が延長するに従ってその割合は増加した.また,別の症例定義に基づくと,対照者における百日咳の発症率は,100,000 人年当り 370~450 例に及んだ.

結 論

無菌体百日咳ワクチンは,青年と成人に対して予防効果があり,ルーチンに使用することで,全体的な疾病負荷と小児への伝播が減少する可能性がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 353 : 1555 - 63. )