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July 28, 2005 Vol. 353 No. 4

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ライノウイルス感染に対する Echinacea angustifolia
An Evaluation of Echinacea angustifolia in Experimental Rhinovirus Infections

R.B. Turner and Others

背景

エキナセアは,風邪に対する薬草治療薬として広く使用されてきたが,効能に関する試験では矛盾する結果が得られている.また,市場には植物化学組成の異なるさまざまなエキナセア製品が並んでいる.化学的に明確な Echinacea angustifolia 根の抽出物の,ライノウイルス感染に対する効果を評価した.

方 法

植物化学的特徴から明確に区別できる 3 種類のエキナセア製剤を,E. angustifolia 根から超臨界二酸化炭素,60%エタノール,20%エタノールで抽出して作成した.計 437 例のボランティアを,いずれかの製剤またはプラセボで予防を受ける群(ウイルス投与の 7 日前から開始)と治療を受ける群(ウイルス投与時より開始)に無作為に割付けた.ライノウイルス 39 型の投与を受け,隔離された状態で 5 日間観察されたボランティア 399 例の結果をデータ分析に用いた.

結 果

感染率および症状の重症度に関して,3 種のエキナセア抽出物に統計学的に有意な効果は認められなかった.同様に,鼻腔分泌物の量,鼻腔洗浄液検体中の多形核白血球およびインターロイキン-8 の濃度,定量的ウイルス力価に関しても,治療による有意な効果は認められなかった.

結 論

この研究結果は,E. angustifolia 根の抽出物が,単独でも併用でも,ライノウイルス感染およびそれに起因する臨床症状に対して,臨床的に有意な効果をもたないことを示している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 353 : 341 - 8. )