August 25, 2005 Vol. 353 No. 8
早期流産に対するミソプロストールによる内科的管理と外科的管理の比較
A Comparison of Medical Management with Misoprostol and Surgical Management for Early Pregnancy Failure
J. Zhang and Others
妊娠第 1 三半期に流産した女性の治療において,ミソプロストール(misoprostol)の使用が増加している.この治療法の有効性,安全性,受容性を大規模無作為試験により評価した.
妊娠第 1 三半期に流産(枯死卵,胚死亡・胎児死亡,不全流産・進行流産)した女性計 652 例を,ミソプロストール 800 μg を経腟投与する群と吸引(標準ケア)を行う群に,3:1 の割合で無作為に割り付けた.ミソプロストール群には,1 日目に投与を行い,排出が不完全であった場合は 3 日目に 2 回目の投与を,それでも排出が不完全であった場合には 8 日目に吸引を行った.初回治療から 30 日以内に,ミソプロストール群に対して外科的治療を行った場合および吸引群に対して吸引を反復して行った場合を治療失敗とした.
ミソプロストール群に割り付けられた女性 491 例のうち,3 日目までに完全に排出された割合は 71%,8 日目まででは 84%であった(95%信頼区間 81~87%).30 日目までに治療が失敗した割合は,ミソプロストール群で 16%,外科的治療群で 3%であった(絶対差 12%,95%信頼区間 9~16%).入院を要する出血や子宮内膜炎はほとんどみられず(各群で 1%以下),2 群間に有意差はなかった.ミソプロストール群では,78%の女性が,必要が生じた場合はミソプロストールをまた使用したいと述べ,83%の女性が他人にも勧めるであろうと述べた.
ミソプロストール 800 μg の経腟投与による早期流産の治療は,安全かつ受容できる方法であり,成功率は約 84%である.