The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

August 25, 2005 Vol. 353 No. 8

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

乳癌における微小骨髄転移のプール解析
A Pooled Analysis of Bone Marrow Micrometastasis in Breast Cancer

S. Braun and Others

背景

乳癌診断時の微小骨髄転移の存在が予後の予測においてもつ意義を,プール解析を用いて評価した.

方 法

病期が I,II,III 期の乳癌患者 4,703 例を登録した 9 件の研究から,個々の患者のデータを結合した.多変量逐次 Cox 回帰モデルを用いて,10 年の追跡期間(中央値 5.2 年)における患者の予後を評価した.

結 果

30.6%の患者で微小転移が検出された.微小骨髄転移が認められた患者では,認められなかった患者に比べ腫瘍が大きく,組織グレードが高く,リンパ節転移やホルモン受容体陰性腫瘍である例が多かった(すべての変数に対する P<0.001).微小転移の存在は,10 年の観察期間における不良な全生存と乳癌特異生存(単変量死亡比 2.15 と 2.44,両方の予後に対する P<0.001),および不良な無病生存と遠隔無病生存(発症率の比 2.13 と 2.33,両方の予後に対する P<0.001)に関して,有意な予後予測因子であった.多変量解析では,微小転移は予後不良の独立した予測因子であった.単変量サブグループ解析では,微小転移が認められた患者の乳癌特異生存期間は,補助内分泌療法(死亡比 3.22)または細胞毒性療法(死亡比 2.32)を受けている患者と,腫瘍の直径が 2 cm 以下でリンパ節転移がなく,全身補助療法(死亡比 3.65)を受けていない患者とで,有意に短かった(すべての比較に対する P<0.001).

結 論

乳癌診断時の微小骨髄転移の存在は,予後不良と関連している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 353 : 793 - 802. )