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June 29, 2006 Vol. 354 No. 26

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大腸癌における DNA ミスマッチ修復遺伝子変異の保有者の同定と生存
Identification and Survival of Carriers of Mutations in DNA Mismatch-Repair Genes in Colon Cancer

R.A. Barnetson and Others

背景

大腸癌の診断時に生殖細胞系列の DNA ミスマッチ修復遺伝子の変異を同定することは,大腸癌の管理において重要である.

方 法

大腸癌の診断を受けた直後の 55 歳未満の患者 870 例を,事前選択を行わず,家族歴に関係なく登録した.これらの患者で DNA ミスマッチ修復遺伝子 MLH1MSH2MSH6 の生殖細胞系列変異を調べ,多変量ロジスティック回帰分析により,これらの遺伝子の変異の存在を予測する 2 段階モデルを開発した.第 1 段階には臨床変数のみを組み入れ,第 2 段階は免疫組織化学染色による腫瘍の分析とマイクロサテライト不安定性の検査で構成した.独立した患者集団においてモデルの妥当性の検証を行った.患者 2,938 例/年の追跡データを解析し,遺伝子型が生存に影響を与えるかどうかを検討した.

結 果

患者 870 例中 38 例(4%)で変異が認められ,うち 15 例は MLH1,16 例は MSH2,7 例は MSH6 に変異があった.保有者の頻度については,男性(6%)と女性(3%)で有意差が認められた(P<0.04).第 2 段階で免疫組織化学分析を追加した場合,感度は 62%,陽性適中率は 80%であった.妥当性を検証した患者群 155 例では 35 例(23%)で変異が認められ,うち 19 例は MLH1,13 例は MSH2,3 例は MSH6 に変異があった.モデルの精度は,とりうる広範なカットオフ値の中で左右されることなく,遺伝性非ポリポーシス大腸癌のベセスダガイドラインとアムステルダム基準の精度よりも優れていた.保有者と非保有者で生存率に有意差は認められなかった.

結 論

われわれは,DNA 修復遺伝子に変異を有する大腸癌患者を同定する方法を考案し,妥当性の検証を行った.生存率は変異の保有者と非保有者で同等であった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 354 : 2751 - 63. )