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October 5, 2006 Vol. 355 No. 14

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新生血管を伴う加齢黄斑変性症に対するラニビズマブの効果
Ranibizumab for Neovascular Age-Related Macular Degeneration

P.J. Rosenfeld and Others

背景

ラニビズマブ(ranibizumab)は,血管内皮増殖因子 A(VEGF-A)のすべての活性型を中和する組換えヒトモノクローナル Fab 抗体である.新生血管を伴う加齢黄斑変性症の治療に対する,ラニビズマブの効果が評価されている.

方 法

2 年間にわたる多施設共同二重盲検偽注射対照試験において,minimally classic 型または occult 型(classic 型病変を伴わない)の脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性症患者を,月 1 回,計 24 回のラニビズマブ硝子体内注射(0.3 mg または 0.5 mg)または偽注射に無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,12 ヵ月の時点で,ベースラインからの視力低下が 15 文字未満(ETDRS チャートで読める文字数で評価)の患者の割合とした.

結 果

716 例の患者を試験に登録した.12 ヵ月の時点で視力低下が 15 文字未満であった患者の割合は,ラニビズマブ 0.3 mg 群で 94.5%,0.5 mg 群で 94.6%であったのに対し,偽注射群では 62.2%であった(両投与群との比較について P<0.001).視力の改善が 15 文字以上であったのは,0.3 mg 群で 24.8%,0.5 mg 群で 33.8%であったのに対し,偽注射群では 5.0%であった(両投与群との比較について P<0.001).視力は,平均して 0.3 mg 群で 6.5 文字,0.5 mg 群で 7.2 文字改善したのに対し,偽注射群では 10.4 文字低下した(両群との比較について P<0.001).視力に対する効果は 24 ヵ月後も維持された.24 ヵ月間で,ラニビズマブ投与患者の 5 例(1.0%)に眼内炎が疑われ,6 例(1.3%)に重篤なブドウ膜炎が認められた.

結 論

2 年間のラニビズマブの硝子体内注射により,黄斑変性症に minimally classic 型または occult 型(classic 型病変を伴わない)の脈絡膜新生血管を伴う患者において,視力喪失が予防され,平均視力が改善した.また,重篤な有害事象の発生率も低かった.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00056836)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 355 : 1419 - 31. )