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October 5, 2006 Vol. 355 No. 14

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染色体 5q 欠失に関連する骨髄異形成症候群に対するレナリドミド
Lenalidomide in the Myelodysplastic Syndrome with Chromosome 5q Deletion

A. List and Others

背景

重篤で多くの場合難治性の貧血は,染色体 5q31 欠失に関連する骨髄異形成症候群の特徴である.レナリドミド(lenalidomide,CC5013)により,この疾患の患者における輸血の必要性を減少させ,5q31 が異常なクローンを抑制することができるかどうかを検討した.

方 法

148 例の患者に,レナリドミド 10 mg/日を 4 週間ごとに 21 日間投与した.24 週間後に,血液学的変化,骨髄の変化,ならびに細胞遺伝学的変化を intention-to-treat 解析で評価した.

結 果

複雑な核型にもかかわわらず,148 例のうち,112 例で輸血の必要性が減少し(76%,95%信頼区間 [CI] 68~82),99 例(67%,95% CI 59~74)は輸血を必要としなくなった.レナリドミドに対する反応は迅速で(反応までの時間の中央値は 4.6 週間,範囲 1~49 週間),かつ持続した.中央値 104 週の追跡期間後も,輸血を必要としない期間の中央値には達しなかった.ヘモグロビン値は,最高値が中央値 13.4 g/dL(範囲 9.2~18.6 g/dL)に達し,これは輸血前のベースラインの最低値と比較して中央値 5.4 g/dL(範囲 1.1~11.4 g/dL)の上昇に相当した.評価可能であった患者 85 例のうち,62 例に細胞遺伝学的改善が認められ,その 62 例のうち 38 例では細胞遺伝学的完全寛解が得られた.連続した骨髄標本が評価可能であった患者 106 例のうち,38 例では細胞学的異常が完全に消失した.レナリドミドの治療中断や用量調整の理由としてもっとも多かったのは,中等度から重度の好中球減少(患者の 55%)と血小板減少(44%)であった.

結 論

レナリドミドにより,5q31 欠失を有する骨髄異形成症候群患者の輸血の必要性が減少し,細胞学的異常ならびに細胞遺伝学的異常を改善することができる.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00065156)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 355 : 1456 - 65. )