The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

July 20, 2006 Vol. 355 No. 3

糖尿病予防プログラムにおける TCF7L2 遺伝子多型と糖尿病への進行
TCF7L2 Polymorphisms and Progression to Diabetes in the Diabetes Prevention Program

J.C. Florez and Others

背景

transcription factor 7-like 2 gene(TCF7L2)によくみられる多型と 2 型糖尿病との関連が,最近確認された.われわれは,生活習慣への介入またはメトホルミン投与をプラセボ投与と比較した糖尿病予防プログラムに登録された,耐糖能異常のある被験者を対象に,糖尿病との関連性が非常に高い 2 つの変異体(rs12255372,rs7903146)が,糖尿病への進行を予測するかどうかを検討した.

方 法

被験者 3,548 例において,これらの変異に関する遺伝子解析を行い,予測因子として遺伝子型,介入,およびそれらの交互作用を用い,Cox 回帰分析を行った.ベースラインおよび 1 年の時点で,遺伝子型がインスリン分泌量とインスリン感受性に及ぼす影響を評価した.

結 果

平均 3 年間の追跡期間において,リスクのある TT 遺伝子型を rs7903146 に有する被験者は,CC ホモ接合体の被験者より,耐糖能異常から糖尿病へ進行する傾向が高かった(ハザード比 1.55,95%信頼区間 1.20~2.01,P<0.001).遺伝子型の影響は,プラセボ群のほうが(ハザード比 1.81,95%信頼区間 1.21~2.70,P=0.004),メトホルミン群および生活習慣介入群よりも大きかった(それぞれハザード比 1.62,1.15;遺伝子型と介入とのあいだの交互作用の P 値は有意ではなかった).ベースラインにおいて,TT 遺伝子型はインスリン分泌の減少と関連していたが,インスリン抵抗性の増加とは関連していなかった.rs12255372 に関しても同様の結果が得られた.

結 論

TCF7L2 によくみられる変異体は,耐糖能異常のある人において,糖尿病リスクの増加と関連していると考えられる.TCF7L2 にみられるリスクのある遺伝子型は,β 細胞の機能障害と関連しているが,インスリン抵抗性とは関連していない.(ClinicalTrials.gov 番号:NTC00004992)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 355 : 241 - 50. )