December 28, 2006 Vol. 355 No. 26
集中治療室におけるカテーテル関連血流感染を減少させるための介入
An Intervention to Decrease Catheter-Related Bloodstream Infections in the ICU
P. Pronovost and Others
集中治療室(ICU)で発生するカテーテル関連血流感染は,頻度が高く,費用がかかるうえに,死にいたる可能性がある.
主にミシガン州の ICU において,多施設共同コホート研究を実施した.カテーテル関連血流感染の発生率を減少させるために,エビデンスに基づいた介入を行った.マルチレベルのポアソン回帰モデルを用いて,試験介入の実施前,実施中,実施後 18 ヵ月までの感染率を比較した.全米院内感染監視システム(National Nosocomial Infections Surveillance System)のガイドラインに従い,1,000 カテーテル・日当りの感染率を 3 ヵ月間隔で測定した.
計 108 ヵ所の施設の ICU が研究への参加に同意し,103 ヵ所の施設がデータを報告した.分析には,1,981 ICU・月と 375,757 カテーテル・日のデータが含まれた.1,000 カテーテル・日当りのカテーテル関連血流感染率の中央値は,ベースラインの 2.7 件から,介入後 3 ヵ月時点では 0 件に減少した(P≦0.002).また,1,000 カテーテル・日当りの感染率の平均値は,ベースラインの 7.7 件から,16~18 ヵ月後の時点では 1.4 件へと減少した(P<0.002).回帰モデルにより,ベースラインからの感染率の有意な減少が示され,発生率比は,介入実施後 0~3 ヵ月の時点の 0.62(95%信頼区間 [CI] 0.47~0.81)から持続的に減少し,16~18 ヵ月の時点で 0.34(95% CI 0.23~0.50)となった.
エビデンスに基づく介入により,カテーテル関連血流感染率が大幅かつ持続的に減少し(最大 66%),減少は 18 ヵ月の研究期間を通して維持された.