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July 6, 2006 Vol. 355 No. 1

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病院の規模と人工換気の転帰
Hospital Volume and the Outcomes of Mechanical Ventilation

J.M. Kahn and Others

背景

多数の高リスクな内科的・外科的病態において,症例数の増加は生存率の向上と関連している.入院患者数と重症患者の転帰との関連性については,明らかにされていない.

方 法

重症度評価の APACHE(Acute Physiology and Chronic Health Evaluation)臨床情報システムにおいて,2002~03 年に救急病院 37 施設で人工換気を受けた非外科手術患者 20,241 例のデータを解析した.多変量解析を実施し,疾患の重症度および患者特性の差異について調整した.

結 果

病院の症例数の増加は,集中治療室(ICU)および病院内で人工換気を受けた患者の生存率の向上と関連していた.症例数が最高四分位の病院(1 年間に人工換気を受ける患者が 400 例を超える病院)へ入院することは,最低四分位の病院(1 年間に人工換気を受ける患者が 150 例以下の病院)へ入院することと比較して,ICU 内での死亡に関する調整オッズ比の 37%低下と関連していた.院内死亡率も同様に低下した(調整オッズ比 0.66,95%信頼区間 0.52~0.83,P<0.001).調整後の院内死亡率は,症例数が最低四分位の病院における典型的な患者で 34.2%であったのに対し,最高四分位の病院では 25.5%であった.生存例では,ICU または病院の滞在期間に有意な傾向はみられなかった.

結 論

症例数の多い病院での人工換気は,死亡率の低下と関連している.病院の症例数と重症患者の転帰とが関連する機序を明らかにするには,さらに詳細な研究が必要である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 355 : 41 - 50. )