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August 10, 2006 Vol. 355 No. 6

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遺伝子発現に基づく乳癌予測因子の一致
Concordance among Gene-Expression-Based Predictors for Breast Cancer

C. Fan and Others

背景

複数の研究で行われた原発性乳癌の遺伝子発現プロファイル解析によって,多数の明確な予後予測プロファイルや遺伝子群が同定されている.これらの遺伝子群は,遺伝子の同一性に関してほとんど重複がない.

方 法

個々のサンプルについて,これらの遺伝子群から得られた予測を比較するため,295 例の患者から単一のデータセットを得て,遺伝子発現に基づく以下の 5 つのモデル,固有のサブタイプ,70 遺伝子プロファイル,傷害応答,再発スコア,2 遺伝子比(タモキシフェンで治療した患者について)を適用した.

結 果

多くのモデルは,個々の症例の転帰を予測するうえで一致率が高かった.とくに,基底細胞様,HER2 陽性かつエストロゲン受容体陰性,管腔 B(予後不良と関連する)のいずれかの固有のサブタイプを示すことが確認された腫瘍は,ほとんどすべてが 70 遺伝子プロファイル不良,傷害応答の活性化,高い再発スコアを示す群にも分類された.臨床利用が開始されている 70 遺伝子モデルと再発スコアモデルは,転帰分類で一致率が 77~81%であった.

結 論

乳癌患者の予後予測において,異なる遺伝子群を用いたにもかかわらず,検討した 5 つのモデルのうち,4 つは個々の患者の転帰予測において有意に一致した.これは,共通の生物学的表現型によるものと考えられる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 355 : 560 - 9. )