January 11, 2007 Vol. 356 No. 2
転移性腎細胞癌におけるスニチニブとインターフェロン α の比較
Sunitinib versus Interferon Alfa in Metastatic Renal-Cell Carcinoma
R.J. Motzer and Others
転移性腎細胞癌患者を対象とした対照群を設定しない 2 件の臨床試験において,リンゴ酸スニチニブ(sunitinib malate)の薬理活性が示されたため,第 3 相試験でスニチニブをインターフェロン α と比較する必要がある.
未治療の転移性腎細胞癌患者 750 例を多施設共同無作為化第 3 相試験に登録し,6 週間サイクルでスニチニブを反復投与する群(1 日 1 回 50 mg を 4 週間経口投与し,その後 2 週間休薬)と,インターフェロン α を投与する群(1 回 9 MU を週 3 回皮下投与)に割り付けた.主要エンドポイントは無増悪生存期間とした.副次的エンドポイントは,客観的奏効率,全生存期間,患者の報告による転帰,安全性などとした.
無増悪生存期間の中央値は,スニチニブ群(11 ヵ月)のほうがインターフェロン α 群(5 ヵ月)よりも有意に長く,ハザード比は 0.42 であった(95%信頼区間,0.32~0.54,P<0.001).また,スニチニブはインターフェロン α よりも客観的奏効率が高かった(31% 対 6%,P<0.001).治療に伴う疲労がグレード 3 または 4 の患者の割合はインターフェロン α 群で有意に高かったのに対し,下痢はスニチニブ群でより高頻度に認められた(P<0.05).報告された QOL は,スニチニブ群のほうがインターフェロン α 群よりも有意に良好であった(P<0.001).
スニチニブの投与を受けた転移性腎細胞癌患者では,インターフェロン α の投与を受けた患者よりも無増悪生存期間が長く,奏効率も高かった.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00098657,NCT00083889)