The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

April 5, 2007 Vol. 356 No. 14

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

喘息と慢性閉塞性肺疾患におけるインバリアントナチュラルキラー T 細胞
Invariant Natural Killer T Cells in Asthma and Chronic Obstructive Pulmonary Disease

P. Vijayanand and Others

背景

喘息患者の気道では,2 型ヘルパー CD4+T 細胞の数が増加する.これらの細胞の大部分が主要組織適合複合体(MHC)クラス II 拘束性細胞であるのか,あるいは最近同定された CD1d 拘束性インバリアントナチュラルキラー T 細胞であるのかは,議論の分かれる点である.気道中のインバリアントナチュラルキラー T 細胞の数と疾患の重症度との関連の可能性を検討するため,軽度~中等度の喘息患者において,気道中のインバリアントナチュラルキラー T 細胞の発現頻度を調べた.また,これらの細胞数の増加が,慢性閉塞性肺疾患(COPD)の特徴であるのかどうかも調べた.

方 法

軽度~中等度の喘息患者,COPD 患者,健常対照者から得られた気管支肺胞洗浄液,誘発喀痰,気管支生検の検体において,α-ガラクトシルセラミドを負荷した CD1d テトラマーとインバリアントナチュラルキラー T 細胞受容体に特異的な抗体を用いたフローサイトメトリーにより,インバリアントナチュラルキラー T 細胞の数を調べた.インバリアントナチュラルキラー T 細胞受容体の遺伝子発現の証拠を得るため,リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応法で気管支肺胞洗浄細胞を解析した.

結 果

気道生検,気管支肺胞洗浄,喀痰誘発を行ったすべての患者から得られた T 細胞のうち,インバリアントナチュラルキラー T 細胞は 2%未満であり,3 群間で有意差は認められなかった.喘息患者の気管支肺胞洗浄細胞において,インバリアントナチュラルキラー T 細胞受容体ドメイン Vα24 と Vβ11 のメッセンジャー RNA の発現は検出されなかった.

結 論

インバリアントナチュラルキラー T 細胞は,喘息患者,COPD 患者,対照者の少数で検出された.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 356 : 1410 - 22. )