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May 24, 2007 Vol. 356 No. 21

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新生児集中治療室における治療水準と症例数および極低出生体重児の死亡率
Level and Volume of Neonatal Intensive Care and Mortality in Very-Low-Birth-Weight Infants

C.S. Phibbs and Others

背景

米国の地域病院では,新生児集中治療室(NICU)の数が大幅に増加し,NICU で治療を受ける症例がますます複雑になっている.われわれは,治療水準や極低出生体重児(1,500 g 未満)の症例数が異なる NICU において,極低出生体重児の死亡率の違いを検討した.

方 法

1991~2000 年にカリフォルニアの病院で出生した極低出生体重児 48,237 例について,出生証明書,退院時サマリー(病院間搬送を含む),胎児ならびに乳児の死亡証明書を照合し,新生児死亡率を評価した.

結 果

極低出生体重児の死亡率は,出産病院における患児数と治療水準の双方によって異なった.症例数がもたらす影響にも,治療水準によって差がみられた.治療水準が高く極低出生体重児症例数の多い病院(年間 100 例を超える)と比べて,治療水準が低く症例数が少ない病院(2 つの小規模病院群を除く)では,死亡のオッズ比が 1.19(95%信頼区間 [CI] 1.04~1.37)から 2.72(95% CI 2.37~3.12)と有意に高かった.極低出生体重児の出産のうち,治療水準が高く症例数の多い NICU を有する施設で行われたのは 1/4 未満であったが,極低出生体重児の出産の 92%はそのような出産が 100 件を超える都市部で行われていた.

結 論

極低出生体重児の死亡率は,治療水準が高く極低出生体重児の症例数が多い NICU を有する病院で出産が行われた場合にもっとも低かった.今回の結果から,そのような施設の利用をふやすことで,極低出生体重児の死亡率が低下する可能性が示唆される.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 356 : 2165 - 75. )