The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

September 27, 2007 Vol. 357 No. 13

チメロサールへの早期曝露と 7~10 歳の時点での神経心理学的転帰
Early Thimerosal Exposure and Neuropsychological Outcomes at 7 to 10 Years

W.W. Thompson and Others

背景

ワクチンや免疫グロブリン製剤に使用されている水銀含有保存剤チメロサールへの早期曝露は,小児の神経心理学的障害と関連するという仮説がある.

方 法

7~10 歳の小児 1,047 例を研究に組み入れ,42 種類の神経心理学的転帰を評価する標準検査を実施した(自閉症スペクトラム障害の評価は行わなかった).電子化された予防接種記録,診療録,個人の予防接種記録,保護者への面接により,チメロサールからの水銀曝露を測定した.面接とカルテから,可能性のある交絡因子に関する情報を入手した.現時点での神経心理学的検査の成績と,出生前,新生児期(出生から生後 28 日まで),生後 7 ヵ月までの水銀曝露とのあいだの関連性を評価した.

結 果

42 種類の神経心理学的転帰のうち,チメロサールからの水銀曝露とのあいだに有意な関連が検出されたものは少数であった.検出された関連性は小さいものであり,正の影響と負の影響の両方にほぼ均等に分かれた.出生前の水銀曝露増加に伴って,言語の 1 指標の成績はよくなり,注意・遂行機能の 1 指標の成績はわるくなった.出生から生後 7 ヵ月にかけては,水銀曝露増加に伴い微細運動の協調性の 1 指標と,注意・遂行機能の 1 指標の成績はよくなった.出生から生後 28 日にかけては,水銀曝露増加に伴い語音明瞭度の 1 指標の成績はわるくなり,微細運動の協調性の 1 指標の成績はよくなった.

結 論

われわれの研究は,チメロサール含有ワクチンや免疫グロブリンからの水銀への早期曝露と,7~10 歳の時点での神経心理学的機能障害との因果関係を裏付けるものではない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 357 : 1281 - 92. )