October 4, 2007 Vol. 357 No. 14
進行腫瘍の発見における CT コロノグラフィと大腸内視鏡検査の比較
CT Colonography versus Colonoscopy for the Detection of Advanced Neoplasia
D.H. Kim and Others
大腸癌のスクリーニングと予防において,進行腫瘍は第一標的である.われわれは,CT コロノグラフィ(CTC)と大腸内視鏡検査(OC)を並行して用いるスクリーニングプログラムの診断率を比較した.
連続した成人 3,120 例(平均 [±SD] 年齢 57.0±7.2 歳)に対する初回 CTC スクリーニングと,連続した成人 3,163 例(平均 [±SD] 年齢 58.1±7.8 歳)に対する初回 OC スクリーニングを比較した.主要転帰評価項目は,進行腫瘍(進行腺腫,癌)の発見と,切除された総ポリープ数とした.CTC で発見された 6 mm 以上のポリープすべてに対し,OC によるポリープ切除を勧めた.小さなポリープ(6~9 mm)を 1~2 個有する患者には,CTC サーベイランスの選択も提示された.初回 OC 中に発見されたポリープは,ほぼすべてがその大きさにかかわらず,確立された臨床ガイドラインに従って切除された.
進行腫瘍は,CTC スクリーニングで 123 個(うち 14 個が浸潤癌),OC スクリーニングで 121 個(うち 4 個が浸潤癌)発見された.初回 CTC スクリーニング群における OC 紹介率は 7.9%(3,120 例中 246 例)であった.進行腫瘍は,CTC 群の 3,120 例中 100 例(3.2%),OC 群の 3,163 例中 107 例で確認された.これには,CTC で検出され,切除を行わなかった 6~9 mm のポリープ 193 個を有する,サーベイランス継続中の 158 例は含まれない.切除された総ポリープ数は,CTC 群 561 個,OC 群 2,434 個であった.腸穿孔は OC 群で 7 例に生じたが,CTC 群ではみられなかった.
初回 CTC スクリーニング・OC スクリーニング戦略では,進行腫瘍の発見率は同等であったが,CTC 群のほうが,ポリープ切除と合併症の数は大幅に少なかった.これらの知見は,初回スクリーニング検査として,治療的 OC の前に CTC を使用することを支持している.