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October 18, 2007 Vol. 357 No. 16

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高 IgE 症候群における STAT3 変異
STAT3 Mutations in the Hyper-IgE Syndrome

S.M. Holland and Others

背景

高 IgE 症候群(ヨブ症候群)は,皮膚炎,癤,嚢胞形成性肺炎,血清 IgE 高値,乳歯脱落遅延,骨異常を特徴とする,まれな免疫および結合組織疾患である.常染色体優性遺伝であり,散発例も認められる.

方 法

われわれは,高 IgE 症候群患者および家族に関する経時的臨床データを収集し,刺激された白血球から分泌されるサイトカインレベル,ならびに静止細胞および刺激細胞における遺伝子発現レベルを測定した.これらのデータから,候補遺伝子として STAT3(signal transducer and activator of transcription 3)遺伝子の関与が示され,その後,この遺伝子の配列を決定した.

結 果

高 IgE 症候群患者の末梢血中の非刺激好中球および単核球では,対照者の細胞と比較して,炎症性遺伝子転写レベルが上昇していることを見出した.インターフェロン γ 存在下または非存在下でリポ多糖類により刺激された,高 IgE 症候群患者の単核球の in vitro 培養では,同様の処理をされた非罹患者の細胞と比較して,腫瘍壊死因子 α(TNF-α)の発現レベルが高かった(P=0.003).一方,高 IgE 症候群患者の細胞は,インターロイキン-6 存在下での単球遊走因子 1(MCP-1)の産生レベルが低く(P=0.03),このことは,下流のメディエータ(STAT3 はそのうちの 1 つ)を介したインターロイキン-6 のシグナル伝達障害を示唆していた.高 IgE 症候群の 50 の家族例ならびに散発例において,STAT3 のミスセンス変異および単一コドンのインフレーム欠失を同定した.18 の不連続変異(うち 5 つはホットスポット)は,DNA 結合,SRC 相同 2(SH2)ドメインに直接関連することが予測された.

結 論

自然免疫応答の亢進,反復感染,複雑な身体的様相を特徴とする免疫不全症候群である高 IgE 症候群の散発型および優性型の基礎には,STAT3 の変異が関与している.

本論文(10.1056/NEJMoa073687)は,2007 年 9 月 19 日に www.nejm.org で発表された.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 357 : 1608 - 19. )