December 20, 2007 Vol. 357 No. 25
ホスピタリスト,総合内科医,家庭医によるケアの転帰
Outcomes of Care by Hospitalists, General Internists, and Family Physicians
P.K. Lindenauer and Others
米国の入院患者ケアの様子は,ホスピタリスト・モデルによって急速に変化している.しかし,ホスピタリストによるケアの臨床的・経済的転帰に関するエビデンスは,少数の医師の業務について検討した,数少ない単一施設研究に基づくものである.
2002 年 9 月~2005 年 6 月に,肺炎,心不全,胸痛,虚血性脳卒中,尿路感染症,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪,あるいは急性心筋梗塞のため全米の 45 ヵ所の病院に入院した 18 歳以上の患者 76,926 例を対象に,後ろ向きコホート研究を実施した.多変量モデルを用い,ホスピタリスト 284 人,総合内科医 993 人,家庭医 971 人によるケアの転帰を比較した.
総合内科医によるケアを受けた患者と比較して,ホスピタリストのケアを受けた患者では,入院期間がわずかに短縮し(補正後の差 0.4 日,P<0.001),医療費が低下したが(補正後の差 268 ドル,P=0.02),入院患者の死亡率は同程度であり(オッズ比 0.95,95%信頼区間 [CI] 0.85~1.05),14 日目までの再入院率も同程度であった(オッズ比 0.98,95% CI 0.91~1.05).家庭医によるケアを受けた患者と比較した場合,ホスピタリストのケアを受けた患者では,入院期間が短縮し(補正後の差 0.4 日,P<0.001),医療費(補正後の差 125 ドル,P=0.33),死亡率(オッズ比 0.95,95% CI 0.83~1.07),14 日目までの再入院率(オッズ比 0.95,95% CI 0.87~1.04)は同程度であった.
入院患者の一般的な診断に関して,ホスピタリスト・モデルは,死亡率や再入院率に有害な影響を及ぼすことなく入院期間のわずかな短縮と関連する.ホスピタリストによるケアは,総合内科医によるケアよりわずかに安価なようであるが,家庭医によるケアとの比較では,大きな節約にはならない.