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August 2, 2007 Vol. 357 No. 5

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子宮頸管長短縮が認められる妊娠女性におけるプロゲステロン投与と早期産のリスク
Progesterone and the Risk of Preterm Birth among Women with a Short Cervix

E.B. Fonseca and Others

背景

これまでの無作為化試験により,過去に早期産を経験した妊娠女性にプロゲステロンを投与すると,早期産の再発リスクが低下することが示されている.妊娠中期に子宮頸管長短縮が確認された無症状の妊娠女性では自然早産のリスクが非常に高いが,プロゲステロンによってこのような女性で早期産のリスクが低下するかどうかは明らかにされていない.

方 法

定期的な妊婦管理のために受診した妊娠女性 24,620 例の頸管長を,中央値で妊娠 22 週(20~25 週)に経腟超音波検査により測定した.頸管長は,413 例(1.7%)で 15 mm 以下であった.これら 413 例のうち 250 例(60.5%)を,妊娠 24~34 週にかけてプロゲステロン(毎晩 200 mg)の腟内投与を行う群とプラセボを投与する群のいずれかに無作為に割り付けた.主要転帰は 34 週未満の自然分娩とした.

結 果

34 週未満の自然分娩の頻度は,プロゲステロン群のほうがプラセボ群よりも低かった(19.2% 対 34.4%,相対リスク 0.56,95%信頼区間 [CI] 0.36~0.86).プロゲステロン投与は,有意ではなかったものの,新生児罹患率の低下と関連した(8.1% 対 13.8%,相対リスク 0.59,95% CI 0.26~1.25,P=0.17).プロゲステロン投与に関連した重篤な有害事象はみられなかった.

結 論

子宮頸管長短縮が認められる妊娠女性に対してプロゲステロンを投与すると,自然早産率は低下する.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00422526)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 357 : 462 - 9. )