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March 13, 2008 Vol. 358 No. 11

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インドにおける喫煙と死亡に関する全国代表的症例対照研究
A Nationally Representative Case-Control Study of Smoking and Death in India

P. Jha and Others

背景

インドではこれまで,喫煙が死亡率に与える全国的影響について,信頼できる評価は行われていない.

方 法

全国を代表する 110 万世帯の標本集団で,喫煙率について,死亡女性 33,000 例および死亡男性 41,000 例(症例被験者)と,生存女性 35,000 例および生存男性 43,000 例(マッチしていない対照被験者)を比較した.喫煙者と非喫煙者を比較した死亡リスク比を,年齢,教育レベル,アルコール摂取により補正した.

結 果

年齢 30~69 歳の,女性対照の約 5%と男性対照の約 37%は喫煙者であった.この年齢群において,喫煙は,女性(リスク比 2.0,99%信頼区間 [CI] 1.8~2.3),男性(リスク比 1.7,99% CI 1.6~1.8)ともに,すべての医学的原因による死亡リスクの増加と関連していた.毎日の喫煙は,少量のたばこであっても死亡率の上昇と関連していた.喫煙者の過剰死亡は,非喫煙者と比較して,女性(リスク比 3.0,99% CI 2.4~3.9),男性(リスク比 2.3,99% CI 2.1~2.6)ともに主として結核によるものであり,そのほかは呼吸器疾患,血管系疾患,腫瘍性疾患が原因であった.喫煙は,女性では 8 年(99% CI 5~11),男性では 6 年(99% CI 5~7)の生存期間の短縮(中央値)と関連していた.これらの関連が因果関係を示しているとすると,年齢 30~69 歳における喫煙は,女性の死亡 20 例中約 1 例,男性の死亡 5 例中約 1 例の原因となる.2010 年には喫煙は,インドにおける成人の死亡約 930,000 例の原因となり,そのうち約 70%(女性 90,000 例,男性 580,000 例)が,年齢 30~69 歳での死亡と見込まれる.人口増加のため,この年齢群での死亡の絶対数は年間約 3%ずつ増加している.

結 論

喫煙は,インドにおける多数の早期死亡とその増加の原因である.

本論文(10.1056/NEJMsa0707719)は,2008 年 2 月 13 日に www.nejm.org で発表された.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2008; 358 : 1137 - 47. )