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January 10, 2008 Vol. 358 No. 2

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重症敗血症に対する強化インスリン療法とペンタスターチによる蘇生法
Intensive Insulin Therapy and Pentastarch Resuscitation in Severe Sepsis

F.M. Brunkhorst and Others

背景

重症敗血症患者における強化インスリン療法の役割は明らかにされていない.輸液蘇生により敗血症性ショック患者の生存は改善するが,クリスタロイドとコロイド製剤のいずれを選択すべきかに関するエビデンスは存在しない.

方 法

多施設共同の 2×2 要因試験において,重症敗血症患者を正常血糖維持のための強化インスリン療法と従来のインスリン療法のいずれかに割り付け,さらに輸液蘇生のための低分子量ヒドロキシエチルデンプン(HES 200/0.5)である 10%ペンタスターチと改良乳酸リンガー液のいずれかに無作為に割り付けた.28 日目の時点での死亡率と臓器不全の平均スコアを共通主要エンドポイントとした.

結 果

この試験は安全性上の理由により中止された.評価可能であった 537 例において,早朝血中グルコース濃度の平均は,強化療法群(112 mg/dL [6.2 mmol/L])のほうが従来療法群(151 mg/dL [8.4 mmol/L])よりも低かった(P<0.001).しかし,28 日目の時点での死亡率と臓器不全の平均スコアに,群間で有意差は認められなかった.重症低血糖(グルコース濃度 40 mg/dL [2.2 mmol/L] 以下)の割合は,強化療法群のほうが従来療法群よりも高く(17.0% 対 4.1%,P<0.001),重篤な有害事象の割合についても同様であった(10.9% 対 5.2%,P=0.01).HES 療法では,乳酸リンガー液と比較して,急性腎不全および腎透析療法の割合が高かった.

結 論

重篤な敗血症患者に強化インスリン療法を行うことで,低血糖に関連した重篤な有害事象のリスクが増加した.この試験に用いられた HES は有害であり,その毒性は投与の累積に応じて増加した.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00135473)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2008; 358 : 125 - 39. )