The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

January 17, 2008 Vol. 358 No. 3

HFE 遺伝子による遺伝性ヘモクロマトーシスにおける鉄過剰関連疾患
Iron-Overload-Related Disease in HFE Hereditary Hemochromatosis

K.J. Allen and Others

背景

遺伝性ヘモクロマトーシスにもっとも多く関連する HFE 対立遺伝子,C282Y がホモ接合である人の多くは,血清フェリチン値およびトランスフェリン飽和率が高い.C282Y ホモ接合体の一部では鉄過剰に関連する疾患が発症するが,そのリスクの程度については議論の余地がある.

方 法

メルボルン共同コホート研究(Melbourne Collaborative Cohort Study)に参加し,平均 12 年間の追跡調査を受けた年齢 40~69 歳の北欧系人 31,192 人において,HFE 遺伝子変異を評価した.計 203 例の C282Y ホモ接合体(女性 108 例,男性 95 例)を含む,HFE 遺伝子型で層別化された無作為標本 1,438 例において,12 年の間隔をあけて実施した 2 セットの鉄測定を含む臨床データと生化学データを入手した.鉄過剰が確認され,以下の病態のうち 1 つ以上を有するものを,鉄過剰に関連する疾患と定義した:肝硬変,肝線維症,肝細胞癌,アミノトランスフェラーゼ高値,医師の診断による症候性ヘモクロマトーシス,第二および第三中手指節関節の関節症.

結 果

鉄過剰に関連する疾患が確認された C282Y ホモ接合体の割合は,男性では 28.4%(95%信頼区間 [CI] 18.8~40.2),女性では 1.2%(95% CI 0.03~6.5)であった.C282Y ホモ接合体でなく(複合へテロ接合体),鉄過剰に関連する疾患が確認されたのは,1 例のみであった.血清フェリチン値が 1,000 μg/L 以上の C282Y ホモ接合の男性は,野性型の遺伝子を有する男性よりも,疲労感,関節炎治療薬の使用,肝疾患の既往を報告する傾向が強かった.

結 論

C282Y 変異がホモ接合である場合,男性ではかなりの割合で鉄過剰に関連する疾患を発症するが,女性ではその割合は低い.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2008; 358 : 221 - 30. )