October 30, 2008 Vol. 359 No. 18
超低出生体重児に対する積極的光線療法と従来型光線療法の比較
Aggressive vs. Conservative Phototherapy for Infants with Extremely Low Birth Weight
B.H. Morris and Others
超低出生体重児(1,000 g 以下)に対し,ビリルビンの神経毒性作用を予防する目的で積極的光線療法を行うことが,有益であるか有害であるかについては明らかにされていない.
超低出生体重児 1,974 例を,積極的光線療法を行う群と,従来型光線療法を行う群に無作為に割り付けた.主要転帰は修正月齢 18~22 ヵ月の時点における死亡および神経発達障害の複合とし,治療法の割付けについて盲検化された試験担当医師が評価した.
積極的光線療法では,従来型光線療法と比べて,血清ビリルビン値の最高値の平均は有意に低下したが(7.0 mg/dL 対 9.8 mg/dL [120 μmol/L 対 168 μmol/L],P<0.01),主要転帰の発生率は低下しなかった(52% 対 55%,相対リスク 0.94,95%信頼区間 [CI] 0.87~1.02,P=0.15).積極的光線療法により,神経発達障害の発生率は低下した(26%に対し,従来型光線療法 30%,相対リスク 0.86,95% CI 0.74~0.99).死亡率は,積極的光線療法群 24%,従来型光線療法群 23%であった.事前に計画したサブグループ解析では,死亡率は,出生体重 751~1,000 g の乳児の場合,積極的光線療法群 13%,従来型光線療法 14%で,出生体重 501~750 g の乳児の場合,積極的光線療法群 39%,従来型光線療法 34%であった(相対リスク 1.13,95% CI 0.96~1.34).
積極的光線療法を行っても,死亡および神経発達障害の発生率は有意には低下しなかった.積極的光線療法により神経発達障害の発生率のみ低下したが,出生体重 501~750 g の乳児では死亡率が上昇した.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00114543)