The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

December 4, 2008 Vol. 359 No. 23

B 型慢性肝炎に対するテノホビルジソプロキシルフマル酸塩とアデホビルジピボキシルの比較
Tenofovir Disoproxil Fumarate versus Adefovir Dipivoxil for Chronic Hepatitis B

P. Marcellin and Others

背景

テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(テノホビル DF)は,ヌクレオチドアナログであり,ヒト免疫不全ウイルス 1 型(HIV-1)の逆転写酵素と B 型肝炎ウイルス(HBV)ポリメラーゼに対する強力な阻害薬である.

方 法

2 つの第 3 相二重盲検試験において,B 型肝炎 e 抗原(HBeAg)が陰性または陽性の慢性 HBV 感染患者を,48 週にわたり 1 日 1 回テノホビル DF を投与する群と,アデホビルジピボキシルを投与する群に 2:1 の割合で無作為に割り付けた.主要有効性エンドポイントは,48 週の時点で血漿中 HBV DNA 量が 400 コピー/mL(69 IU/mL)未満で,組織学的改善(線維化の増悪なく Knodell 壊死・炎症スコアが 2 ポイント以上低下)がみられることとした.副次的エンドポイントは,ウイルス抑制(HBV DNA 量が 400 コピー/mL 未満),組織学的改善,血清反応,アラニンアミノトランスフェラーゼ値の正常化,耐性変異の出現などとした.

結 果

両試験において,48 週の時点で主要エンドポイントに達した患者の割合は,テノホビル DF 群のほうがアデホビルジピボキシル群よりも有意に高かった(P<0.001).ウイルス抑制が認められたのは,HBeAg 陰性例ではテノホビル DF 群のほうがアデホビルジピボキシル群よりも多く(93% 対 63%,P<0.001),HBeAg 陽性例でもテノホビル DF 群のほうがアデホビルジピボキシル群よりも多かった(76% 対 13%,P<0.001).HBeAg 陽性例では,テノホビル DF 群のほうがアデホビルジピボキシル群よりも,アラニンアミノトランスフェラーゼ値の正常化(68% 対 54%,P=0.03)と B 型肝炎表面抗原の消失(3% 対 0%,P=0.02)が有意に多く認められた.48 週の時点で,いずれの患者においても,テノホビル DF やその他の HBV 感染治療薬に対する表現型耐性に関連した HBV DNA ポリメラーゼ内のアミノ酸置換は認められなかった.テノホビル DF による HBV DNA 量の変化は,ラミブジン投与歴の有無にかかわらず同様であった.両試験において,2 つの治療法の安全性プロファイルは同等であった.

結 論

慢性 HBV 感染患者において,テノホビル DF 300 mg/日の投与は,アデホビルジピボキシル 10 mg/日の投与に比べて,48 週目まで抗ウイルス効果に優れ,安全性プロファイルが同等であった.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00116805,NCT00117676)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2008; 359 : 2442 - 55. )