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July 3, 2008 Vol. 359 No. 1

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外来診療における電子カルテ― 医師を対象とした全米調査
Electronic Health Records in Ambulatory Care ― A National Survey of Physicians

C.M. DesRoches and Others

背景

電子カルテは医療提供を向上させる可能性がある.しかし,米国の医師はそのシステムの導入に時間がかかっている.この研究では,医師を対象に,外来患者用電子カルテの導入度,システムに対する満足度,医療の質に対するシステムの効果の認識,および導入に対する障壁の認識を評価した.

方 法

2007 年後期および 2008 年初期に,医師 2,758 人を対象とした全米調査を実施した.回答率は 62%であった.専門家の合意に基づいた電子カルテの定義を用い,診察室でこのような電子カルテを使用している医師の割合を求め,個々の医師およびその診療の特徴と,電子カルテの導入との関連を調査した.

結 果

医師の 4%が広範かつ十分な機能を備えた電子カルテシステムを有していると回答し,13%が基本的なシステムを有していると回答した.多変量解析により,プライマリケア医や,大規模グループ,病院・医療センター,米国西部で診療を行っている医師で,電子カルテを使用する傾向がより高いことが示された.医師は,これらのシステムには医療の質に関するさまざまな面にプラスの効果があると回答し,高い満足度を示した.電子カルテ導入の決定には,経済的障壁がもっとも大きな影響因子であると考えられた.

結 論

電子カルテを使用している医師は,そのシステムが医療の質を改善すると考えており,全体的にシステムに満足している.しかし,2008 年初期の時点で,電子システムを導入しているのは米国の医師のごく少数にすぎず,これらの医師は後にシステムを導入する医師とは異なる可能性がある.

本論文(10.1056/NEJMsa0802005)は,2008 年 6 月 18 日に www.nejm.org で発表された.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2008; 359 : 50 - 60. )