The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

May 28, 2009 Vol. 360 No. 22

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

異形成を伴うバレット食道に対する 高周波アブレーション
Radiofrequency Ablation in Barrett's Esophagus with Dysplasia

N.J. Shaheen and Others

背景

バレット食道は食道の腸上皮化生がみられる病態であり,食道腺癌のリスク増加と関連している.内視鏡的高周波アブレーションによって,異形成を伴うバレット食道の根治と,腫瘍への進行の抑制が可能かどうかを評価した.

方 法

多施設共同擬手技対照試験において,異形成を伴うバレット食道の患者 127 例を,高周波アブレーションを施行する群(アブレーション群)と擬手技を施行する群(対照群)に 2:1 の割合で無作為に割り付けた.割付けは,異形成の程度とバレット食道の長さで層別化して行った.主要転帰は,12 ヵ月後の異形成または腸上皮化生の根治とした.

結 果

intention-to-treat 解析において,軽度異形成患者では,異形成の根治率はアブレーション群 90.5%に対し,対照群 22.7%であった(P<0.001).高度異形成患者では,アブレーション群 81.0%に対し,対照群 19.0%であった(P<0.001).全体では,腸上皮化生の根治率はアブレーション群 77.4%に対し,対照群 2.3%であった(P<0.001).アブレーション群のほうが,対照群に比べ,疾患の進行(3.6% 対 16.3%,P=0.03)と食道癌への進展(1.2% 対 9.3%,P=0.045)が少なかった.術後に胸痛を報告した患者はアブレーション群のほうが多く,また,アブレーション群では 1 例に上部消化管出血がみられ,5 例(6.0%)に食道狭窄が認められた.

結 論

異形成を伴うバレット食道の患者に対する高周波アブレーションにより,異形成と腸上皮化生はいずれも高率に根治し,疾患の進行リスクが減少した.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00282672)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2009; 360 : 2277 - 88. )