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January 22, 2009 Vol. 360 No. 4

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急性ウイルス感染により喘鳴を呈する就学前児に対する経口プレドニゾロン投与
Oral Prednisolone for Preschool Children with Acute Virus-Induced Wheezing

J. Panickar and Others

背景

上気道ウイルス感染による喘鳴発作は,生後 10 ヵ月~6 歳の就学前児によくみられる.喘鳴で病院を訪れた就学前児に対しては短期間の経口プレドニゾロン投与が広く行われているが,この年齢集団における有効性のエビデンスには矛盾がみられる.

方 法

生後 10~60 ヵ月の小児 700 例を対象に,5 日間の経口プレドニゾロン投与(生後 10~24 ヵ月の小児には 1 日 1 回 10 mg,それ以上の小児には 1 日 1 回 20 mg)をプラセボと比較する,無作為化二重盲検プラセボ対照試験を実施した.英国の 3 つの病院で,ウイルス感染に伴う喘鳴発作のために受診した小児を対象とした.intention-to-treat 解析の対象は 687 例であった(プレドニゾロン群 343 例,プラセボ群 344 例).主要転帰は入院期間とし,副次的転帰は就学前児の呼吸評価尺度(Preschool Respiratory Assessment Measure)のスコア,アルブテロールの使用,7 日間の症状スコアとした.

結 果

プラセボ群とプレドニゾロン群のあいだで,入院期間(13.9 時間 対 11.0 時間,幾何平均の比 0.90,95%信頼区間 0.77~1.05),入院から医師による退院許可までの期間のいずれにも有意差はなかった.さらに,いずれの副次的転帰についても,有害事象の発生数についても,両群間に有意差はなかった.

結 論

ウイルス感染に伴う軽症~中等症の喘鳴で病院を訪れた就学前児において,経口プレドニゾロンはプラセボと比較して優れてはいなかった.(Current Controlled Trials 番号:ISRCTN58363576)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2009; 360 : 329 - 38. )