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February 12, 2009 Vol. 360 No. 7

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閉経前乳癌に対する内分泌療法とゾレドロン酸の併用
Endocrine Therapy plus Zoledronic Acid in Premenopausal Breast Cancer

M. Gnant and Others

背景

卵巣機能抑制とタモキシフェン投与の併用は,ホルモン感受性乳癌を有する閉経前女性に対する標準補助療法である.アロマターゼ阻害薬は,閉経後女性に対してタモキシフェンより優れている.また,前臨床データではゾレドロン酸に抗腫瘍作用があることが示唆されている.

方 法

ホルモン感受性早期乳癌の閉経前女性を対象に,ゴセレリン+タモキシフェンまたはゴセレリン+アナストロゾールに,ゾレドロン酸を追加した場合の有効性を検討した.1,803 例を,ゴセレリン(3.6 mg を 28 日ごとに皮下投与)にタモキシフェン(20 mg/日を経口投与)またはアナストロゾール(1 mg/日を経口投与)のいずれかを併用し,さらにゾレドロン酸(4 mg を 6 ヵ月ごとに静脈内投与)を併用する群と併用しない群に無作為に割り付け,3 年間投与した.主要エンドポイントは無病生存期間とし,副次的エンドポイントは無再発生存期間と全生存期間とした.

結 果

追跡期間中央値 47.8 ヵ月後,137 件のイベントが発生し,無病生存率はタモキシフェン群で 92.8%,アナストロゾール群で 92.0%,内分泌療法単独群で 90.8%,内分泌療法+ゾレドロン酸群で 94.0%であった.アナストロゾール群とタモキシフェン群のあいだで無病生存率に有意差は認められなかった(アナストロゾール群における増悪のハザード比 1.10,95%信頼区間 [CI] 0.78~1.53,P=0.59).ゾレドロン酸を内分泌療法に追加した場合,追加しない場合と比べて増悪リスクに 3.2 パーセントポイントの絶対的低下と,36%の相対的低下がみられた(ハザード比 0.64,95% CI 0.46~0.91,P=0.01).ゾレドロン酸を追加しても死亡リスクに有意な低下はみられなかった.(ハザード比 0.60,95% CI 0.32~1.11,P=0.11).有害事象は既知の安全性プロファイルと一致していた.

結 論

補助内分泌療法にゾレドロン酸を追加することで,ホルモン感受性早期乳癌を有する閉経前女性の無病生存期間が延長される.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00295646)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2009; 360 : 679 - 91. )