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October 22, 2009 Vol. 361 No. 17

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重症患者に対する持続的腎代替療法の強度
Intensity of Continuous Renal-Replacement Therapy in Critically Ill Patients

The RENAL Replacement Therapy Study Investigators

背景

持続的腎代替療法の最適な強度は明らかにされていない.急性腎障害(AKI)の重症患者の 90 日死亡率に対するこの療法の効果を,2 つの強度で比較するため多施設共同無作為化試験を行った.

方 法

AKI の重症成人患者を,持続的腎代替療法として後希釈による持続的静脈-静脈血液濾過透析を行う際に,透析液流量を 40 mL/kg 体重/時とする群(高強度群)と 25 mL/kg/時とする群(低強度群)のいずれかに無作為に割り付けた.主要評価項目は無作為化後 90 日以内の死亡とした.

結 果

登録患者 1,508 例のうち,747 例が持続的静脈-静脈血液濾過透析の高強度群に,761 例が低強度群に無作為に割り付けられた.主要転帰に関するデータは 1,464 例(97.1%)から得られ,内訳は高強度群 721 例,低強度群 743 例であった.両群のベースライン特性は同等であり,試験治療の平均期間は高強度群 6.3 日,低強度群 5.9 日であった(P=0.35).無作為化後 90 日の時点で,高強度群 322 例,低強度群 332 例が死亡し,死亡率はともに 44.7%であった(オッズ比 1.00,95%信頼区間 [CI] 0.81~1.23,P=0.99).90 日の時点で腎代替療法を継続していたのは,高強度群では生存例の 6.8%(399 例中 27 例)であったのに対し,低強度群では生存例の 4.4%(411 例中 18 例)であった(オッズ比 1.59,95% CI 0.86~2.92,P=0.14).低リン酸血症は高強度群で低強度群より多く認められた(65% 対 54%,P<0.001).

結 論

AKI の重症患者に高強度の持続的腎代替療法を行っても,90 日後の死亡率は低下しなかった.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00221013)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2009; 361 : 1627 - 38. )