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November 12, 2009 Vol. 361 No. 20

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ガバペンチンの適応外使用に関する企業の資金提供による試験の転帰報告
Outcome Reporting in Industry-Sponsored Trials of Gabapentin for Off-Label Use

S.S. Vedula and Others

背景

無作為化試験の出版論文では,転帰が選択的に報告されているという十分な証拠がある.

方 法

ファイザー社と,ワーナー・ランバート社の関連会社であるパーク・デービス社(以下ファイザー社とパーク・デービス社)が資金提供した,ガバペンチンの適応外使用(片頭痛の予防,双極性障害・神経因性疼痛・侵害受容性疼痛の治療)に関する試験について,企業の内部文書と出版論文を比較して,報告の実態を調査した.

結 果

ファイザー社とパーク・デービス社から内部文書を入手することができた臨床試験 20 件を同定した.このうち 12 件が論文で報告されていた.12 件中 8 件では,論文中で定義された主要転帰はプロトコールに記載されたものとは異なっていた.相違の原因として,主要転帰を新たに設定している(6 件),主要転帰と副次的転帰を区別していない(2 件),主要転帰を副次的転帰に変更している(2 件),プロトコールで定義されているが論文中で報告されていない主要転帰が 1 つ以上ある(5 件)という点があげられた.内部文書においてプロトコールで定義された主要転帰が有意ではなかった(P≧0.05)試験は,論文中ですべてを報告していないか,主要転帰を変更して報告していた.ガバペンチンに有利な統計学的有意差が報告された試験 8 件のうち,5 件では主要転帰が変更されていた.論文で報告された試験で,プロトコールに記載されていた主要転帰 21 項目のうち 6 項目は論文中でまったく触れられておらず,4 項目は副次的転帰として報告されていた.論文中に記載されていた主要転帰 28 項目のうち,12 項目は新たに設定されたものであった.

結 論

ガバペンチンの適応外使用に関する試験では,転帰が選択的に報告されていることが確認された.こうした実態は,薬剤の適応外使用の有効性に関するエビデンスの妥当性を脅かすものである.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2009; 361 : 1963 - 71. )