The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

July 1, 2010 Vol. 363 No. 1

頸動脈狭窄に対するステント留置術と頸動脈内膜剝離術の比較
Stenting versus Endarterectomy for Treatment of Carotid-Artery Stenosis

T.G. Brott and Others

背景

頸動脈狭窄は脳卒中の重要な原因であるが,その治療選択肢には頸動脈ステント留置術と頸動脈内膜剥離術がある.

方 法

症候性または無症候性の頸動脈狭窄を有する患者を,頸動脈ステント留置を行う群と頸動脈内膜剥離を行う群のいずれかに無作為に割り付けた.主要複合エンドポイントは,周術期の脳卒中・心筋梗塞・全死因死亡,または無作為化後 4 年以内の同側脳卒中とした.

結 果

中央値 2.5 年にわたり追跡した 2,502 例について,主要エンドポイントの推定 4 年発生率に,ステント留置術群と頸動脈内膜剥離術群とのあいだで有意差は認められなかった(それぞれ 7.2%および 6.8%,ステント留置術によるハザード比 1.11,95%信頼区間 0.81~1.51,P=0.51).主要エンドポイントを指標とする治療効果に,症状の有無(P=0.84),性別(P=0.34)による差は認められなかった.脳卒中または死亡の 4 年発生率は,ステント留置術群で 6.4%,頸動脈内膜剥離術群で 4.7%であり(ハザード比 1.50,P=0.03),症候性患者の場合それぞれ 8.0%,6.4%(ハザード比 1.37,P=0.14),無症候性患者の場合 4.5%,2.7%(ハザード比 1.86,P=0.07)であった.エンドポイントの各項目の周術期発生率については,死亡(0.7% 対 0.3%.P=0.18),脳卒中(4.1% 対 2.3%,P=0.01),心筋梗塞(1.1% 対 2.3%,P=0.03)にステント留置術群と頸動脈内膜剥離術群とのあいだで差が認められた.周術期以降の同側脳卒中の発生率は,ステント留置術群と頸動脈内膜剥離術群で同程度に低かった(それぞれ 2.0%および 2.4%,P=0.85).

結 論

症候性または無症候性の頸動脈狭窄を有する患者では,頸動脈ステント留置術と頸動脈内膜剥離術とのあいだで,脳卒中・心筋梗塞・死亡の複合主要エンドポイントのリスクに有意差は認められなかった.周術期には,ステント留置群で脳卒中のリスクが高く,頸動脈内膜剥離術で心筋梗塞のリスクが高かった.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00004732)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2010; 363 : 11 - 23. )