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September 30, 2010 Vol. 363 No. 14

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神経芽腫に対する抗 GD2 抗体と GM-CSF,インターロイキン-2,イソトレチノインの併用
Anti-GD2 Antibody with GM-CSF, Interleukin-2, and Isotretinoin for Neuroblastoma

A.L. Yu and Others

背景

前臨床データと予備的臨床データより,腫瘍関連抗原ジシアロガングリオシド GD2 に対するモノクローナル抗体 ch14.18 は神経芽腫に対する活性を有すること,そしてその活性は ch14.18 と顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)またはインターロイキン-2 との併用で増強されることが示されている.われわれは,強化集学的治療後の標準的なイソトレチノイン(isotretinoin)治療に ch14.18,GM-CSF,インターロイキン-2 を加えることによって,高リスク神経芽腫の転帰が改善されるかどうかを検討するための試験を行った.

方 法

寛解導入療法と幹細胞移植が奏効した,高リスク神経芽腫を有する患者を,標準治療群(イソトレチノイン投与 6 サイクル)と,免疫療法群(イソトレチノイン投与 6 サイクルと同時に,ch14.18 投与に加えて GM-CSF とインターロイキン-2 を交互に投与する 5 サイクル)に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.intention-to-treat 解析において,無イベント生存率と全生存率を免疫療法群と標準治療群とで比較した.

結 果

226 例の適格患者をいずれかの治療に無作為に割り付けた.免疫療法群では,グレード 3,4,5 の疼痛が 52%の患者に認められ,毛細血管漏出症候群は 23%,過敏反応は 25%に認められた.予測されたイベントの 61%が認められた時点で,有効性に基づく試験早期中止の基準を満たした.追跡期間中央値は 2.1 年であった.免疫療法は標準治療に比べ,無イベント生存率(2 年の時点で 66±5% 対 46±5%,P=0.01),全生存率(2 年の時点で 86±4% 対 75±5%,中間解析に関して未補正の P=0.02)に関して優れていた.

結 論

高リスクの神経芽腫患者に対する ch14.18,GM-CSF,インターロイキン-2 を用いた免疫療法は,標準治療に比べて転帰の有意な改善と関連していた.(米国国立衛生研究所と米国食品医薬品局から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00026312)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2010; 363 : 1324 - 34. )