The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

July 1, 2010 Vol. 363 No. 1

診断に関連する医療行為における地域差
Regional Variations in Diagnostic Practices

Y. Song and Others

背景

現在のリスク補正方法は,診療記録や行政記録に記載された診断に左右される.医療提供者によって診断に関連する医療行為が異なれば,偏りが生じる可能性がある.

方 法

1999~2006 年のメディケア請求データを用いて,メディケア受給者に行われた診断に関連する医療行為の傾向を調査した.米国の地域を,そこに居住する受給者が受ける,病院・医師による医療行為の強度(支出をもとに算出)に基づき五分位に分類した.医療行為の強度がより高い地域またはより低い地域へ転居した受給者を対象に,診断,臨床検査,画像検査,階層化病態分類(Hierarchical Condition Category:HCC)の割当てに関する傾向を比較した.

結 果

各五分位群の中で,研究期間中に医療行為の強度がより高い地域またはより低い地域へ転居した受給者の転居前の診断数と(HCC コード化アルゴリズムによる)HCC リスクスコアは同程度であった.診断数と HCC リスクスコアはコホートの年齢の上昇とともに増加したが,医療行為の強度がより高い地域へ転居した受給者では,強度が同じ地域やより低い地域へ転居した受給者に比べて増加の度合いが大きかった.たとえば,当初最低五分位群の地域に居住していた受給者では,より上位の五分位群の地域へ転居した人のほうが,同じ最低五分位群の中の地域へ転居した人に比べて,平均診断数に大きな増加が認められた(100.8%増加,95%信頼区間 [CI] 89.6~112.1 対 61.7%増加,95% CI 55.8~67.4).一段階上の五分位群地域への転居は,HCC リスクスコアの 5.9%増加(95% CI 5.2~6.7)と関連しており,臨床検査と画像検査に関しても同様の増加が認められた.

結 論

米国の診断に関連する医療行為には,患者特性とは無関係とみられる顕著な地域差が認められた.リスク補正に臨床記録や請求データの診断を用いることで,有効性比較試験,情報公開,支払い金額の改定に重大な偏りが生じる可能性がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2010; 363 : 45 - 53. )