男女における食事および生活習慣の変化と長期的な体重増加
Changes in Diet and Lifestyle and Long-Term Weight Gain in Women and Men
D. Mozaffarian and Others
「食事量を減らし運動量を増やす」という一見単純な方法による長期的な体重増加の予防が成功するかどうかは,特定の食事やその他の生活習慣行動に左右される可能性がある.
ベースライン時に慢性疾患がなく肥満ではなかった米国人男女を含む 3 つの独立したコホート集団 120,877 人を対象に前向き研究を行った.追跡期間はそれぞれ,1986~2006 年,1991~2003 年,1986~2006 年であった.生活習慣因子の変化と体重変化との関連を,年齢,各期間のベースラインの体格指数(BMI),すべての生活習慣因子について同時に多変量補正し,4 年間隔で評価した.コホート別,男女別の結果は類似していたため,分散の逆数で重みを付けたメタ解析を用いて統合した.
4 年ごとに,被験者の体重は平均 3.35 lb(5~95 パーセンタイル -4.1~12.4)増加した.各食事成分の 1 日の摂取量の増加に基づくと,4 年間の体重変化と,ポテトチップス(1.69 lb),ジャガイモ(1.28 lb),砂糖入り飲料(1.00 lb),未加工の赤肉(0.95 lb),加工肉(0.93 lb)の摂取とのあいだにはもっとも強い相関が認められ,野菜(-0.22 lb),全粒穀物(-0.37 lb),果物(-0.49 lb),ナッツ(-0.57 lb),ヨーグルト(-0.82 lb)の摂取とのあいだには逆相関が認められた(それぞれの比較について P≦0.005).総合的な食事変化が,体重変化の大きな差に関連していた(全五分位群を通じて 3.93 lb).そのほか,身体活動(全五分位群を通じて -1.76 lb),飲酒(1 日 1 杯あたり 0.41 lb),喫煙(新規禁煙者 5.17 lb,過去喫煙者 0.14 lb),睡眠(睡眠 6 時間未満または 8 時間超で体重増加が大きくなる),テレビ視聴(1 日 1 時間あたり 0.31 lb)などの生活習慣因子も独立して体重変化と相関していた(P<0.001).
特定の食事因子と生活習慣因子は長期的な体重増加に独立して関連しており,総合的な作用は大きく,肥満予防戦略に影響を及ぼす.(米国国立衛生研究所ほかから研究助成を受けた.)