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February 10, 2011 Vol. 364 No. 6

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疾患リスクの評価を目的として消費者に直接販売されるゲノムワイドプロファイリングの影響
Effect of Direct-to-Consumer Genomewide Profiling to Assess Disease Risk

C.S. Bloss, N.J. Schork, and E.J. Topol

背景

疾患リスクを評価する目的で,消費者に直接販売されるゲノムワイドプロファイリングを用いることについては議論があり,この技術が消費者に及ぼす影響はほとんどわかっていない.われわれは,臨床的妥当性・有用性が不確かな市販検査(Navigenics Health Compass)を用いたリスク評価が,どのような心理的,行動的,臨床的影響を及ぼすのかを検討した.

方 法

医療・技術関連企業に勤務し,Health Compass を割引価格で購入する人を,被験者として募集した.被験者は,検査後平均(±SD)5.6±2.4 ヵ月の時点で,不安症状,食事脂肪摂取量,運動行動についてベースラインと比較して変化した点と,検査関連ストレス,検診の受診状況を報告することとした.

結 果

登録した 3,639 人のコホート集団のうち,2,037 人が追跡調査を完了した.主要解析において,ベースラインと追跡調査時のあいだで,不安症状(P=0.80),食事脂肪摂取量(P=0.89),運動行動(P=0.61)に有意差は認められなかった.副次的解析では,検査関連ストレスが,評価した全疾患の平均推定生涯リスクと正に相関することが示された(β=0.117,P<0.001).しかし,追跡調査を完了した被験者の 90.3%のスコアからは,検査関連ストレスはないことが示唆された.ゲノムワイドプロファイリングに関連して,検診受診率に有意な上昇は認められなかったが,いずれにせよ,そのような検診のほとんどは,無症状の人には適切であるとみなされないものである.

結 論

消費者向けのゲノムワイド検査を受け,追跡調査を完了した特定の被験者集団では,そのような検査によって,心理的健康,食事や運動行動,検診の受診に,測定しうる短期的変化は認められなかった.このタイプの遺伝子検査が一般集団に影響を及ぼす可能性は不明である.(米国国立衛生研究所,Scripps Health から研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 364 : 524 - 34. )