November 17, 2011 Vol. 365 No. 20
アフリカの小児における RTS,S/AS01 マラリアワクチン第 3 相臨床試験の最初の結果
First Results of Phase 3 Trial of RTS,S/AS01 Malaria Vaccine in African Children
The RTS,S Clinical Trials Partnership
現在アフリカの 7 ヵ国において,マラリアワクチン候補 RTS,S/AS01 の有効性,安全性,免疫原性に関する第 3 相試験が行われている.
2009 年 3 月~2011 年 1 月に,生後 6~12 週と 5~17 ヵ月の 2 つの週齢・月齢区分の児 15,460 例を登録し,RTS,S/AS01 または対照として非マラリアワクチンを接種した.この解析の主要エンドポイントは,登録時の月齢が 5~17 ヵ月で,プロトコールに従って 3 回のワクチン接種をすべて受けた最初の 6,000 例における,接種後 12 ヵ月間の臨床的マラリアに対するワクチン有効率とした.重症マラリアエピソードが 250 例に発生した時点で,両方の週齢・月齢区分の重症マラリアに対するワクチン有効率を検討した.
1 回目のワクチン接種後 14 ヵ月間で,年長層の最初の 6,000 例における臨床的マラリアエピソードの初回発生率は,RTS,S/AS01 群で 1 人年あたり 0.32 件,対照群で 1 人年あたり 0.55 件であり,有効率は intention-to-treat 解析集団で 50.4%(95%信頼区間 [CI] 45.8~54.6),per-protocol 集団で 55.8%(97.5% CI 50.6~60.4)であった.重症マラリアに対するワクチン有効率は,intention-to-treat 解析集団で 45.1%(95% CI 23.8~60.5),per-protocol 集団で 47.3%(95% CI 22.4~64.2)であった.per-protocol 集団で,2 つの週齢・月齢区分を合わせた,平均追跡期間 11 ヵ月間における重症マラリアに対するワクチン有効率は,34.8%(95% CI 16.2~49.2)であった.重篤な有害事象の発生頻度は 2 群で同程度であった.年長層における RTS,S/AS01 接種後の全身けいれん発作発生率は,接種 1,000 回あたり 1.04 件(95% CI 0.62~1.64)であった.
アフリカの小児において,RTS,S/AS01 ワクチンの臨床的マラリアと重症マラリアの両方に対する防御効果が認められた.(GlaxoSmithKline Biologicals 社,PATH マラリアワクチンイニシアチブから研究助成を受けた.RTS,S ClinicalTrials.gov 番号:NCT00866619)