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November 24, 2011 Vol. 365 No. 21

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臨床診療における減量介入の効果の比較
Comparative Effectiveness of Weight-Loss Interventions in Clinical Practice

L.J. Appel and Others

背景

肥満とその心血管系合併症はきわめて一般的な医学的問題であるが,臨床診療において減量を達成する方法に関するエビデンスは少ない.

方 法

無作為化対照試験において,心血管危険因子を 1 つ以上有する肥満患者 415 例を対象に,行動に基づく 2 種類の減量介入の効果を検討した.参加者は,プライマリケア施設 6 ヵ所で募集した.女性 63.6%,黒人 41.0%で,平均年齢は 54.0 歳であった.第 1 の介入群では,電話,試験専用のウェブサイト,電子メールによる遠隔減量支援を患者に提供した.もう 1 つの介入群では,前述の 3 つの遠隔支援手段とともに,グループセッション,個別セッションにおいて対面支援を提供した.自己管理で減量を行う対照群も設けた.転帰を,各介入群と対照群のあいだと,2 つの介入群のあいだで比較した.両介入群では定期診察の際にプライマリケア医が参加を促した.試験期間は 24 ヵ月であった.

結 果

ベースラインにおいて,全参加者における平均体格指数(BMI,体重 [kg]/身長 [m]2)は 36.6,平均体重は 103.8 kg であった.24 ヵ月の時点で,ベースラインからの体重変化の平均は,対照群で -0.8 kg,遠隔支援群で -4.6 kg(対照群との比較について P<0.001),対面支援群で -5.1 kg(対照群との比較について P<0.001)であった.最初の体重から 5%以上減量した参加者の割合は,対照群で 18.8%,遠隔支援群で 38.2%,対面支援群で 41.4%であった.2 つの介入群間で,ベースラインからの体重変化に有意差は認められなかった.

結 論

対面支援と,参加者と減量指導者が対面することのない遠隔支援の 2 つの行動介入により,肥満患者は 24 ヵ月のあいだに臨床的に有意な減量を達成し,維持した.(米国国立心臓・肺・血液研究所ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00783315)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 365 : 1959 - 68. )