November 24, 2011 Vol. 365 No. 21
プライマリケア診療での肥満治療に関する 2 年間の無作為化試験
A Two-Year Randomized Trial of Obesity Treatment in Primary Care Practice
T.A. Wadden and Others
プライマリケア医には,行動に基づく減量カウンセリングを肥満患者に提供することが求められているが,そのようなケアの提供方法に関する適切な指針はない.今回,無作為化試験において,2 年間で,3 種類の生活習慣介入に反応して生じた体重減少を比較した.介入はすべてプライマリケア医がみずからの施設において,補助的医療従事者(生活習慣指導者)と共同で行った.
プライマリケア施設 6 ヵ所の肥満成人 390 例を,次の 3 つの介入群のいずれかに無作為に割り付けた;体重管理に関する教育を含む年 4 回のプライマリケア医受診から成る通常ケア群,年 4 回のプライマリケア医受診と,行動的体重管理について指導する生活習慣指導者との月 1 回の簡単なセッションを組み合わせた,簡易生活習慣カウンセリング群,前述の介入と同じケアに加えて,体重減少の可能性を促進するために参加者がプライマリケア医と相談して選択した代替食品または減量薬(オルリスタット [orlistat] またはシブトラミン [sibutramine])を提供する,強化型簡易生活習慣カウンセリング群.
参加者 390 例のうち,86%が 2 年間の試験を終了し,その時点で,体重減少の平均(±SE)は通常ケア群で 1.7±0.7 kg,簡易生活習慣カウンセリング群で 2.9±0.7 kg,強化型簡易生活習慣カウンセリング群で 4.6±0.7 kg であった.最初の体重から 5%以上減量した参加者の割合は,3 群でそれぞれ 21.5%,26.0%,34.9%であった.強化型生活習慣カウンセリングは,これらの成功の指標両方について通常ケアよりも優れており(それぞれ P=0.003,P=0.02),それ以外に群間で有意差は認められなかった.強化型生活習慣カウンセリングの利益は,シブトラミン投与例を解析から除外しても同等であった.重篤な有害事象の発現率に介入群間で有意差は認められなかった.
強化型減量カウンセリングは,肥満患者の約 1/3 において,長期にわたる臨床的に意義のある減量の達成に役立つ.(米国国立心臓・肺・血液研究所から研究助成を受けた.POWER-UP ClinicalTrials.gov 番号:NCT00826774)