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December 22, 2011 Vol. 365 No. 25

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血友病 B に対するアデノウイルス随伴ウイルスベクターを介した遺伝子導入
Adenovirus-Associated Virus Vector–Mediated Gene Transfer in Hemophilia B

A.C. Nathwani and Others

背景

X 連鎖疾患である血友病 B は遺伝子治療に理想的に適している.この疾患を有する患者への新たな遺伝子治療の適用を検討した.

方 法

コドン最適化されたヒト第 IX 因子(FIX)導入遺伝子を発現している,血清型 8 偽型の自己相補的なアデノウイルス随伴ウイルス(AAV)ベクター(scAAV2/8-LP1-hFIXco)を,重症血友病 B(FIX 活性が正常値の 1%未満)患者 6 例の末梢静脈に単回注入した.参加者を 3 つのコホート集団(高用量,中用量,低用量のいずれかのベクターを投与)に 2 例ずつ順次登録した.参加者には免疫抑制療法を併用せずにベクターを投与し, 6~16 ヵ月間追跡した.

結 果

全例で正常値の 2~11%の FIX が AAV を介して発現した.6 例中 4 例で FIX の予防的投与を中止し,特発性出血のみられない状態を維持した.残りの 2 例では,予防的投与の間隔が延長した.高用量のベクターを投与した 2 例のうち,1 例に一過性,無症候性の血清アミノトランスフェラーゼ値上昇が認められ,これに関連して末梢血に AAV8 カプシド特異的 T 細胞が検出された.もう 1 例では肝酵素値がわずかに上昇したが,その原因は明らかではなかった.これら 2 例に短期のグルココルチコイド療法が行われ,それによりアミノトランスフェラーゼ値は速やかに正常化し,FIX 値は正常値の 3~11%の範囲で維持された.

結 論

scAAV2/8-LP1-hFIXco の末梢静脈内注入によって,FIX 導入遺伝子が出血の表現型を改善するのに十分なレベルで発現し,副作用はほとんど認められなかった.AAV 形質導入肝細胞の免疫介在性クリアランスが依然として懸念されるが,この過程は,導入遺伝子発現を低下させることなく短期のグルココルチコイド投与によりコントロールできる可能性がある.(医学研究評議会ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00979238)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 365 : 2357 - 65. )